天行健~革命前夜、風立ちぬ~の30の情報・感想・評価

エピソード30
#30
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tanzi

tanzi

神回。 このドラマは、ユーモアを挟んだ脚本の妙はもちろん小道具の使い方や印象的なカメラワーク、そして暗殺シーンでの京劇とのカットバックに見られるようなリズムの良い編集が自分はとても好みです。 が、この30集は同じ場所でただ座って語るというシーンが柱としてふたつも重なったのに、気を衒うこともなくごくシンプルにオーソドックスな演出に抑え切ったのが凄いと思う。 まずは 何中華演じる老林の淡々と語る声と表情だけで、絞り出すような寂寥を感じさせたのがホンマたまりません。 そして命の恩人との約束を守り身分と名を捨てた果てに出会った、带娣との幸せな日々に彼が感じた自由の尊さが自分の心にも染み入ってきた。 彼に“愛の証の首飾り“を返してあげた穆青には、そのささやかな自由の尊さを理解できてるし、老林もまたかつての自分に似た穆青の迷いを感じ取ってる。 四十数年ぶりに名乗った男は満州族 正黄旗、本当の姓は赫舍里。 そして驚いた穆青にこう言い残す。 「貧富貴賤の別なく 衆生は皆平等」 いいお芝居でした何中華さん、素晴らしかった!!! と大絶賛していたら後半にもっとすごいダイアローグが来たよ! ここでは前半に比べ、より一層回想も控え2人の会話でねじ伏せてきた。 周到な穆青はすぐに種明かしなどせず(ここがまず他のドラマと違う)じっくりと外堀を埋めて話を進める。 結果的に穆青というキャラをより深めたし、格格が想像以上に慎重にならざる得ない身分と立場なのだと伝わってくる。 「私が君たちに(密蔵を)渡すとでも?」 そう言われた格格はゆっくり自分の剥いたチマキを渡す。 「違うの?」 どう言えばいいのか、考えあぐねる場面での最適な言葉。さすが穆青を信じると言った格格。 手渡されたチマキを受け取って、彼は都で別れる際に聞いた彼女からの愛の告白へ答えを返す。 「烏蘭珊」 格格でなく、やっと名前を口にする穆青。 「私も呼びたくない。12年前も 今も これからも」 口調はすでにこの朝出会った時から謙譲語ではなくなってる。 そして語る言葉に、彼にとっての最大の迷いは愛する彼女の幸せを壊すことになるのではという恐れだったのだということがわかる。 彼は賭けたのだ。柳琳を預けることで烏蘭珊が革命党であることに。 そして、浄壇密蔵を見つけたら君たちに渡す、と。 言葉にならない烏蘭珊が穆青の手を握る。 2人の袖から覗くお揃いの紅い念珠がとてつもなく美しく、かつて危ないところを抱き止めたのに叱責を受けるしかなかった穆青が、自らの指で愛する烏蘭珊の涙を拭う。 別れ際、振り返った烏蘭珊が「今回失敗したら?」と問いかける。 「今生の願いは2つだけと言った。一度の失敗がなんだ。まだたったの12年」 くーっ!!格好良すぎるるるるる穆青さんんんんん。 ついでに前掛けみたいな飾りの付いた長袍も素敵でござった。 このシークエンスのみでまるまる15分。 回想シーンも控えめに、ほとんど穆青の台詞と2人の表情で魅了しました。 このドラマ、穆青の台詞がとにかく多いんやけど、これほどの大切な場面でも彼に1人喋らせてそれを聞く烏蘭珊の目の揺れ少ない動きだけで引っ張り、私たちが望む着地に静かに誘った秦俊杰と黄梦莹の力量には大きな拍手を送りたいと思います。 そして彼らを信じた脚本と演出にも。 ありがとう。
short

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うぉぉぉぉ~〜😭