なんで誰も見てくれないんだ！時は江戸。市中の片隅で稽古をサボり、スマホをイジってばかりの能役者の青年、十郎兵衛。「誰かに注目されたい…」そんな思いで、世間から反応を求めＳＮＳで誹謗中傷を繰り返す彼に奉行所から衝撃の報せが…。正体不明の浮世絵師、東洲斎写楽が生まれるまでの本当にあった“かもしれない”物語の始まり始まり。

なんでわかってくれないんだ！誹謗中傷していた遊女に開示請求されてしまい、焦る十郎兵衛。そんなピンチに手を差し伸べてきたのは、最も頼りたくない父親だった。十郎兵衛が父親を嫌う理由、そこには、かつて自分の夢を否定された悲しき過去が…。時はさかのぼり、少年時代。１６歳の十郎兵衛がＳＮＳで裏垢を作ったきっかけが明らかに！

なんで“粋だね”がつかないんだ！SNSで流行中の狂歌を投稿し始めた17歳の十郎兵衛。しかし“粋だね”は付かず、全くバズらない。そんな中、タイムライン上に大田南畝、蔦屋重三郎、北川豊章の名前と彼らを絶賛する記事が流れてくる。羨望、嫉妬、悲観…、彼らの活躍は多感な十郎兵衛の人生に大きな影響を与えていく！

なんでちゃんと面白いんだ！歌舞伎を真っ向から否定するため、公演を見にきた21歳の十郎兵衛。しかし、悪口も言わせてもらえない圧巻のクオリティに思わず感動してしまう。蔦屋重三郎の活躍、そして大田南畝の言葉に触発された十郎兵衛はかつて抱いた絵師への思いが再燃。密かに書き溜めていた絵をイキスタに投稿することを決意する！

なんでこれが売れてるんだ！SNSを眺める27歳の十郎兵衛。相変わらず自身の投稿には“粋だね”が付かず、バズる気配がない。世間では美人を本物より美人に描く絵師・喜多川歌麿が賞賛されていて面白くない。「俺は絶対認めない…！」「もっと俺の絵を見てくれ…！」焦りと嫉妬に塗れた負の感情は愚痴投稿を加速させる！

なんで蔦屋が捕まるんだ！蔦屋重三郎の記事を眺める29歳の十郎兵衛。裏垢では否定しながらも、やはり蔦屋の活躍は目が離せない。そんな中、蔦屋重三郎が逮捕されたという衝撃のネット記事が飛び込んでくる。悪名は無名に勝る…。自分の絵を誰も見ていない事実に苦しむ十郎兵衛は多くの人に絵を見せるため、ある秘策を思いつく。

なんでこんな上手くいくんだ！十郎兵衛のもとに届いた一通のDM。それは蔦屋重三郎からだった。期待と興奮を胸に耕書堂を訪ねると、とんとん拍子にデビューに向けて打ち合わせが進む。「やっとこの日が来た…」と歓喜する十郎兵衛。ペンネームを考えていると、十郎兵衛をよく知る数少ない友人・馬鹿人からある名前を提案される。

なんで売れてからが難しいんだ！手がけた作品が大ヒットしてようやく人気浮世絵師の仲間入りを果たした十郎兵衛こと東洲斎写楽。批判はあるものの、長い間待ち望んだ“世間からの反応”に喜びを隠しきれない。そんな中、蔦屋重三郎が打ち合わせで写楽の部屋を訪れると意外な事実が…。全ての秘密が明らかになる衝撃の最終話！