りっく

半沢直樹 続編のりっくのレビュー・感想・評価

半沢直樹 続編(2020年製作のドラマ)
5.0
悪いオヤジたちの顔面力と外連味たっぷりの演出、名台詞の応酬、それをナレーションを挟みながら小気味良く展開させる全体の作劇は「仁義なき戦い」を彷彿とさせる。

密室劇、会話劇が多いにもかかわらず、まるでアクション映画やスポーツを見ているような爽快感やカタルシス。まさに毎回が感情のジェットコースター状態。電気紙芝居としてのテレビの中で繰り広げられるリアリティとはほど遠いオーバーアクト。だが、たからこそ到達しうる、魂を共鳴させる力がフィクションにはあることを本作は証明して見せる。

盲目的に正義を貫く半沢はもはや狂人だが、その狂人の倍返しによって裁かれる者、あるいは恩返しによって繋がっていく連鎖の輪。仕事は人との繋がりであり、血の通った(もはや血も沸騰しているが)人間同士が同じ目標を目指せば巨悪を倒せるというラストの展開は胸熱の一言。また西田尚美や江口のりこといった女性陣に、この国を変える未来を担わせる配置も素晴らしい。
りっく

りっく