茶一郎

ベイツ・モーテル シーズン1の茶一郎のレビュー・感想・評価

ベイツ・モーテル シーズン1(2012年製作のドラマ)
4.2
【記録】
 サイコサスペンス映画のエポックメイキング『サイコ』の殺人鬼ノーマンの青年期を描くという、企画力があるのだか、無いのだか、企画力が二回転半くらいしている謎企画だが、これが『LOST』のカールトン・キューズがショーランナーということもあり中々見ごたえのあるサイコ青春モノに仕上がっています。
 ノーマンの母親のセリフ「何で私の周りには変なヤツが集まってくるのよ!」(吹き替え台詞ママ)の通り、引越し先が狂った町だった「田舎コワイ」型のいかにもドラマ的な設定ですが、特に見所は「この母にしてこの息子」ノーマンの母親描写。どう見てもモーテルの接客業には向いていない感情的な性格で、5歳児レベルに自我がコントロールできていない一挙手一投足には思わず吹いてしまう場面もあります。そんな設定を拍車をかけるように、『死霊館』のクレバーなウォーレン妻を演じていたヴェラ・ファーミガとは思えない狂った過剰演技がすごい。
 主人公ノーマンを演じるのは『チャーリーとチョコレート工場』のチャーリーですが、そんなことがどうでも良くなるほど母親の暴走っぷりが面白く、与えられた選択肢の内、良い歳こいた大人が取ると思えない選択を狂いながら取る度にニコニコしてしまう、そんな楽しいドラマ。
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