興奮して公開前に5回鑑賞してしまった。今一つ目の前で行われている事の凄さを頭で処理する事ができず、5度見したような感覚。「映画」というより「大聖堂」や「大仏」に近い荘厳さと大きさがある、とにかく大き>>続きを読む
「裁判という“真実” 製造装置」映画。ある裁判において一つの「家族」が暴露される過程を描く、原題『Anatomy of a Fall』と聞くとどうしても『或る殺人』(Anatomy of a Mur>>続きを読む
大人になったのに鎖のように硬い “へその緒” がまだ自分に付いている感覚……帰省のため実家に向かう時の足取りの重さが自分と重なった。まさしく学生時代、実家から送られてくる冷凍食品とお米で腹を満たし、>>続きを読む
「絶対にこの映画は私を受け入れてくれる」と観客に確信を与える優しい映画世界。生きづらさを抱えた二人にカメラは適切な距離感を保ち(劇中登場する中学生のドキュメンタリーのように)、優しく見つめ、決して二>>続きを読む
何故だか懐かしい。ラッセンの絵でしか「海」を知らない人が作った「海」の「スター・ウォーズ」再び。
冒頭、アクアマン=主人公アーサーが赤ん坊に向かって自らのヒーロー活動を人形劇で見せるシーンがあるが>>続きを読む
心休まる映画体験と同時に「この映画をなるべく多く体に取り込もう」と緊張感を持って観入ってしまった。
濱口竜介監督の『天国はまだ遠い』と勝手にリンクしたくなる小川あんさん演じる主人公は幽霊のように世>>続きを読む
『御法度』のように衆道/男色を軸に本能寺の変を解釈した、 予告編から想像できる戦国時代版「アウトレイジ」とは少し異なる、後味は『龍三と七人の子分たち』に近い、後味は『TAKESHIS'』に近い、奇妙>>続きを読む
中毒性凄まじい。ネオ・ノワールともコメディとも観れる「殺し屋お仕事ムービー」の本作は、必然的に監督デヴィッド・フィンチャーによる「お仕事ムービー」としても観れてしまう。
殺し=アクションより待機時>>続きを読む
AIを「他者」「他人種」として解釈し、ベトナム戦争映画として作品をデザインした……『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』では戦争ドキュメンタリー風「スター・ウォーズ」を狙い再撮影という大失敗>>続きを読む
間違いなく後期スコセッシ映画でしか得られない映画栄養素がある。“(叔)父”と“愛”とに引き裂かれる『アイリッシュマン』と対をなすような熟成版『ウルフ・オブ・ウォールストリート』。
スコセッシの長編>>続きを読む
ケネス・ブラナー=ポアロシリーズで最良!まさかの『死霊館』に接近し、ウォーレン夫妻を一人に凝縮させた心霊探偵ポアロが怪奇事件に挑みます。締め方も、ロケーションも優雅なまとまりの一本で、こういった硬い>>続きを読む
見事!『ミッチェル家とマシンの反乱』ジェフ・ロウ監督の新作である本作は「スパイダーバース」で確立されたアニメ表現の一つの到達点。アニメ映画豊作の2023年を代表する一本になると思います。
陽の光が>>続きを読む
『親愛なる白人様』のジャスティン・シミエンが監督を務めた『ホーンテッドマンション』二度目の映画化。おそらく『バッド・ヘアー』を観ての起用だと思いますが、監督の持ち味は見事に1,000人目のゴーストに>>続きを読む
鑑賞中、面白さと感動で涙が溢れ出てしまった。
『LEGO® ムービー』的に「バービー」のオモチャ性をイジるのは序の口。その歴史的な功罪を自己批判的に切り込むメタコメディであり、そこに「オフェリアの>>続きを読む
今年ダントツに不気味で厭。『わたしは最悪。』のヨアキム・トリアー監督と共同脚本を務めてきたエスキル・フォクトの監督作。牢獄のように閉鎖的な団地に閉じ込められている(ように見える)子どもたちの子どもが>>続きを読む
ストーリーと設定がトム・クルーズを「生身のアクションスタント」へと追い込む「縛りルール」ように機能する異常な映画。悪役はAIだが徹底的に生身とオフラインを突き進む。俳優トム・クルーズの役者としての宣>>続きを読む
魔法少女のステッキと電動丸ノコが合体した奇妙で美しいビジュアルに心奪われる『PARALLEL』は、コスプレ姿で殺人を繰り返す殺人鬼を主人公とする映画。
最初は「何だこれは?」と、「魔法少女モノ」と>>続きを読む
悪夢に迷い込んだような居心地の悪さ。『崖の上のポニョ』はまだ手加減をしてくれていたと思うほどに尖った脂っこい映像の連発と同時に、次世代への継承、宮“﨑”駿としての再出発を一本の映画でやってのけた怪作>>続きを読む
おおよそ製作費1億ドルの作品とは思えない実験的で尖った、映像体験としては余裕で前作を超えた作品で脳が開いた。水彩画とレオナルド・ダ・ヴィンチのデッサンが衝突する過激な映像の一方、物語はミニマムなロー>>続きを読む
かつては“存在していない”とすらされていた映画業界のアシスタントを主人公とした本作は、『TAR/ター』の中盤を鋭くしたような観客を酸欠にする映画。暴力的な「男性のまなざし」。オフィスの雑音が重なって>>続きを読む
全てのキャラクターに居場所と優しさを与えて終幕する最高の完結作!
「vol.2」ラストの涙を浮かべるロケットの顔のアップからそのまま繋がるような『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME >>続きを読む
昨年アメリカで大ヒット!皆笑顔でアンハッピー!暗黒笑顔版『リング』な『Smile スマイル』。目の前で笑いながら亡くなった患者から“何か”を移された主人公……ジャンプスケア“マシマシ”のサービスと、>>続きを読む
ドラマ『THE LAST OF US』神回(8/9話)の記憶が新しいアリ・アッバシの新作がこれまた素晴らしい。
舞台となる街の夜景が「蜘蛛の巣」というロケーションから勝っていますが、アリ・アッバシ>>続きを読む
まさかの「ハロウィン」×「青春映画」!
『ハロウィン』(2018)から始まったデヴィッド・ゴードン・グリーン監督による新三部作も本作で完結!……なのだが、本作ではジョン・カーペンターはジョン・カー>>続きを読む
清々しい。一年のほとんどを仕事用の安革靴で過ごす「マイケル・ジョーダンくらいは知っているけど…」な靴/バスケ知識0の自分でもアガれた業界3位のスニーカーメーカーの逆転劇、大人向けビジネスエンタメ、ス>>続きを読む
「家族から一人生贄を差し出せ、我々はビジョンを見たんだ、生贄を差し出せば世界は救われる」から始まる、ありきたりなホームインベージョン・スリラーと思いきや…原作をシャマランが書いていない事実が信じられ>>続きを読む
ブレンダン・フレイザーおめでたい!原作(戯曲)がある作品だが、「贖罪のために肉体/精神を痛めつける主人公」「有害な父性」等々……しっかりダーレン・アロノフスキーの映画に仕上がっていた。
タイトルは>>続きを読む
「はじめて の さつじん」と言うもんだからエスターのオリジンだと思っていたが『エスター』の前日譚に落ち着き、前作同様、「This is サイコーにちょうどいい」一本のスリラー映画としてまとまっていて>>続きを読む
かの紀里谷和明監督最新作にして引退作(と公言されている)。
『さがす』、『空白』で抜群の存在感を見せていた伊東蒼さんを主演に迎え、血縁によって伝承される巫女能力……新海誠的神道ファンタジーSFが繰>>続きを読む
2023年、本作以上に気持ちの良いアニメーションを観られる自信がない。『スパイダーマン:スパイダーバース』のアニメ表現が、ドリームワークス・『バッドガイズ』を経て早くも最高純度に達成しているように見>>続きを読む
『ファーザー』のお次は『サン』……「息子」との関係性を、父親目線で自らの戯曲を原作にフローリアン・ゼレール監督が描いた。
何でこんなにも重苦しい話を見せられなきゃいかんのだ、と怒りつつ、それでも吸>>続きを読む
「エヴァ」的に改変された登場人物…『式日』のロケーション…『ラブ&ポップ』の多アングルで『キューティハニー』に挑んだ、想像以上に庵野要素が強い『仮面ライダー』。
監督がご自分の“お庭”で自由に「仮>>続きを読む
「パワフル」という言葉に尽きる…前のめりに観過ぎて、鑑賞後ドッと疲れてしまった。「良い音楽を映像で表現する」映画は失敗しがちだが、耳IQの低い自分にも「この音楽は素晴らしい」と思わせるパワーと演奏シ>>続きを読む
過激な「復讐三部作」、はぐれ者へのシンパシーを描いた「人間ではない存在三部作」のパク・チャヌク世界が、それらの要素を残しつつ上質な「匂わせエロティック」へと足を踏み入れたミステリー・ロマンス。
『>>続きを読む
『君の名前で僕を呼んで』にて恋した男性の服を着た「恋愛=同一化の願望」が、本作では「人肉食い」として発動する究極のルカ・グァダニーノ恋愛の世界。監督は『ミラノ、愛に生きる』で料理人に恋する女性を描い>>続きを読む
全編PC画面の映画『search/サーチ』の精神的続編。(精神的という意味で前作は観なくても大丈夫)
本作も展開が抜群に面白く、これPC/スマホ画面だけじゃなくて良くない?という安易な考えが生まれ>>続きを読む