全シーズン(1〜8)まとめての感想。
ジェットコースターのような展開。
巧みな構成。
文学的なナレーション。
登場人物の強烈なキャラクター。
もうとにかく脚本が素晴らしい。
観る前はよく知らなくて、ご近所で誰と誰が不倫した、とかそういうメロドラマかと思ってたけど…
実はサスペンス・コメディ。
まあ〜、事件が起こる起こる!
ありとあらゆるトラブルとハプニングの連続。
ハラハラ、イライラ、ドキドキさせられっぱなし。
これだけ事件が次々と起こるのに、作風がユーモラスで軽快なので、不思議と暗さや悲惨さはない。
みんな不法侵入しすぎ!
犯罪者多すぎ!
リバーデイルの次に住みたくない街、フェアヴュー。物騒すぎる!
でも、みんな家族を想い、ご近所に気を配り、困った人に手を差し伸べ、どこまでも支える。
お節介でトラブルメーカーだけど、暖かい、憎めない人たち。
現代の都会の希薄な人間関係の真逆をいく、古き良きご近所づきあいがここにある。
何度笑ったことか。
何度涙ぐんだことか。
何度「ええっ!!」と声を上げたことか。
終盤のシーズン6や7になっても、最終シーズンの8になっても、勢いと面白さはまったく衰えることがなかった。
シーズン1のエピソード1は不審死をとげたメアリー・アリスの葬儀から始まるが、語り手は当のメアリー・アリス。
そしてなんと、彼女のナレーションが最終シーズンまで続く。
回想シーンを除けば彼女がリアルタイムで生きて登場するシーンは一度もないのに、このナレーションの存在感がものすごい。
あちらの世界からこちらを俯瞰しているような、みんなを暖かく見守っているような、世を達観したような語り口で、ときにユーモラスに、ときに皮肉っぽく、ズバリと真理をつく。
願わくは、いつかまた、ウィステリア通りのあの愛すべき住人たちに再会したいものだ。