ヤマダタケシ

コブラ会 シーズン2のヤマダタケシのネタバレレビュー・内容・結末

コブラ会 シーズン2(2019年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

2020年10月16日 ネットフリックスで

・間違ったマッチョさゆえの過去の過ちに囚われたままの男が、ある意味『グラン・トリ
ノ』的に近所のいじめられっこの少年にその過ちのきっかけでもあった空手を教えることで、過ち自体をもう一度イチから組み立て直し、自らを、そして自らに自信を無くしている人達を肯定していく過程だったのがシーズン1。それゆえジョニーとミゲルの物語に重きが置かれていた気がする。
・対してシーズン2は、それ以外の人物の内面をより細かく描く事によって結果としてジョニー自体の人生、空手との向きい合い方をさらに掘り下げていたと思う。
・ラルーソとロビーの擬似親子的な関係は、ジョニーとミゲルの擬似親子的な関係を際立たせ、結果としてかつての自分が本当の息子であるロビーにしてやれなかった事を意識させる。
・かつての師匠であるクリースの非情なやり方と向き合う事で、自分の中にあったより凶暴な感覚が意識され、そちらに流されない様にする意思が芽生える。それは同時に一部の弟子から矛盾のように見られてしまう。
・空手という〝道〟を通して正しくあろうとするが、その中で常に上手く行かず、常に迷い続ける事。それをジョニーとラルーソを通して中年の、ミゲルとロビーを通して思春期の葛藤として描いている。
・やはりメインは男の、マチズモとの向き合い方な気はしてて、サムの葛藤もキチンと描いてはいるが、あくまでサブな感じはするし、ちょっとトロフィーガールではあると思う(もちろんそうならないようなバランス感では描いているのだが)
・正直、ラルーソとジョニーはほぼ和解していると思うのだが、物語を持続させるためにその都度仲たがいさせられている気はする(真の敵・元祖コブラ会が出てきて以降は共通の敵を持って共闘しそうな感じがあるが)