うーん…シーズン総評としては3話がピークでしたとなってしまいますかね。
1-3話は文句なしの面白さで、とりわけ3話は大絶賛に相応しい傑作回でした。ドキュメンタリ式の撮影方法とリアルタイムの長回しが演出に噛み合い、まるで現実に居合わせたかのような体験ができました。
ただし一方で以降のエピソードは半ば消化試合感が強くマットソンのキャラクターで持っていたような雰囲気になってしまいました。ただ、それでもサクセッションは家族観がアメリカのドラマの中ではかなり独特だと思っていて、この憎しみながらも愛することはやめないという複雑な家族愛を描いたのが素晴らしかったと思います。
物語の大筋と結末については、概ね全てが予想通りで意外性は全くなかったものの、そのシナリオの範囲内で細かい脚本と演出で面白さを最大化していた印象でした。
しかし、個人的にはシーズン3のレビューでも書いた通りシヴのジェンダーロールが全く好みではありませんでした。結局のところ古典的なマクベス夫人であり、最後の最後で破綻しなかった家族の絆を乱すのも、肝心なところで責任を負わずに保身に走るのも、最終的に従属を選んでしまう結末も、そして長期的に見ればこの判断が一族を没落させる戦犯になってしまうところも、典型的な古典的女性ロールをさせられ続けて終わってしまいました。正直なところ、シヴの持っていた無数の選択肢の中から一番つまらないジェンダーロールを当て込まれたなというのが感想です。
やっぱりこのシリーズはローガンあってのシリーズだっかな〜。ローマンとトムは最後まで好きでしたね。特にトムの最後の決断はとてもよかったです。