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宇宙を駆けるよだかのjunのレビュー・感想・評価

宇宙を駆けるよだか(2018年製作のドラマ)
3.7
容姿端麗で誰からも好かれる明るい性格のあゆみと容姿にコンプレックスを持っておりそのせいで卑屈になってクラスで浮いた存在の然子。

ある日あゆみが恋人の公史郎との待ち合わせ場所に向かう途中で然子から連絡が入り振り返るとビルの屋上から飛び降りる然子の姿が目に飛び込んでくる。
ショックで意識を失ったあゆみが次に目を覚ますとそこは病院のベッドの上。ふと目の前の鏡を見るとそこに写っていたのは自分ではなく飛び降りたはずの然子…
の姿をした自分だったという入れ替わりものドラマ。

人は見た目さえ良ければ人生うまくいくのか??っていう所に焦点が当たりがちだけど結局は人間の根底にある自分自身を尊ぶ気持ちこそが人生を生き抜くのに必要なものじゃないかと感じた。

ここまで真逆の人生を歩んできた2人。
でもそれは容姿のせいではなくてあゆみが周りから愛されるのはあゆみ自身が周りを愛しているからだと思うし、然子はその逆で周りはどうせ自分のことなんてどうでもいいんだと壁を作って生きてきたせいで孤立感を更に深めてしまった。
入れ替わったことであゆみの容姿を手に入れた然子は初めこそ理想通りの生活を手に入れたけど徐々に然子だった頃の卑屈さが表に出てくる。一つうまくいかないと苛立ち爪を噛むような性格は変わらなかった。逆に然子の容姿になったあゆみは初めは誰からも相手にされず孤立していたけど《それならば》と持ち前の明るさで自分から周りに働きかけていく。するといつしか周りに人が集まるようになっていた。


『自己肯定感』
最近よく耳にしますが幼少期に親に愛された経験、誰か一人でも自分を必要としてくれる人がいるという安心感。それがあれば落ちても浮いてこられる。あゆみにはそれがあって然子にはなかったことが1番大きな違いだったように思う。

確かに生まれ持った容姿はそう簡単には変えられないけど、性格は自分次第。
人は生きてさえいればいつからでも変わることができるという前向きなメッセージが込められていたように思います。
心と行動を変えれば未来が変わる。
10代でそれに気付けた然子の未来は明るそう。

そして改名したウエストのお二人が出ていましたがこんなに演技が上手な事に驚き。クラスの人気者の火賀を演じた重岡くん。標準語になるとなぜか魅力半減。笑
彼はやっぱり関西弁の方が光るんだとはっきりわかるドラマでした。
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