黒羊

ホーリーランドの黒羊のレビュー・感想・評価

ホーリーランド(2005年製作のドラマ)
4.0
ドラマ版 ホーリーランド

「路上で柔道はマジヤバイ」の名言でお馴染み、ヤングアニマルで連載していた格闘ヤンキー漫画「ホーリーランド」の実写ドラマ版。かなーり久しぶりに鑑賞。

ヤンキー漫画と聞けばビーバップハイスクールや特攻の拓など、ヤンキー達のイケイケバトルライフを描いたものが大量生産されてますが…この漫画は一味違う!

舞台は東京・下北沢。学校でイジめられて不登校の神代ユウ。古本屋で買ったボクシングの教本を読み、自宅でワンツーパンチを日に5千回振る毎日。居場所のない彼は夜の下北沢へ。不良に絡まれるが、ワンツーで不良を倒し、下北の不良達に「ヤンキー狩り」と呼ばれる事になる…

何が凄いってね、ケンカシーンも漫画である不可能な「必殺技」的な展開ではなく、ボクシングや空手、柔道などの実在する格闘技の技を使う、極めや投げなども異次元じゃないというね。

そりゃ勿論、漫画的要素や展開などはあるが、主人公ユウが人を殴り過ぎたら拳を痛めるとか、相手に組みつかれたら対処が分からんから一方的にボコられるとか、ガタイや技などに頼らない心理描写もオモロい。

作者の森氏の実体験(?)たっぷりで、漫画では「路上のカリスマ」伊沢マサキのステップワークを紹介する時に

「是非この動きを覚えて欲しい!」と、全国の引きこもり君やイジメに合っている子に戦い方を教えるかのような演出、技の解説など「森節」が話題になりました。

森氏も武道経験者で、このドラマの監修にも関わっている。

ドラマ「イケメン⭐︎パラダイス」で空手部部長でムキムキのイメージ、石垣佑磨も減量して出演懇願したという。当時のヤングアニマルでそんな記事あったなー。石垣佑磨のユウは最高ですね。ちょっとキョドり過ぎな所あるけど笑

主人公ユウの指南役、伊沢マサキに徳山秀典。これもハマり役で、その他柔道、空手、ガタイナチュラル不良、剣道と、色々な格闘技の使い手が出てきますが殆ど経験者を集めたという気合いの入れよう!

まぁ…ヒロインのマイはどうしても先生にしか見えないが!下手したら母親!?
いや美人さんなんやけどね…やけどね。

2005年のドラマなので、下北沢の風景も当時バリバリなので懐かしい!まだ駅が地下に潜ってません!

このドラマに思い入れあるのは、漫画も当時最後まで読んだのと、やっぱ90年代の下北沢はよく行ってたから…ってのもあるんやろなー

エアマックス(95)狩り
とかあった時代やから、ヤンキーじゃなくてオサレ方向な「チーマー」と言う言葉が出てもおかしくないのに出ない。
そしてクラシックな金ネック着けた学ランヤンキーも出てくるというカオスではあります。それがいい!

武器として「メリケンサック」が出てきたり、そしてそれの使い方も爆笑ですが、この漫画のアツい、ええ塩梅のリアル感が楽しめれば問題無し!

今の時代ではキャスト集めも、物語も制作不可能な、ええ感じにガキのケンカ世界を描いたドラマでした。
黒羊

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