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SHERLOCK/シャーロック シーズン4のtanayukiのレビュー・感想・評価

4.8
▼シリーズ4エピソード1:六つのサッチャー(The Six Thatchers)。原案は『六つのナポレオン(The Adventure of the Six Napoleons)』と『黄色い顔(The Yellow Face)』

諜報員時代のメアリーはA.G.R.A.のコードネームの4人組で活動していた。彼女が足を洗うきっかけになった事件で、現場に取り残され、拷問にかけられ、からくも生き残ったAJはメアリーを裏切り者だと思い込み、命を狙っていた。

だが、真の裏切り者は、クライアントである英国政府の中にいた。シャーロックはアモと呼ばれたその人物をあぶり出すことに成功するが、アモはシャーロックに最後の反撃を試みる。彼女の撃った弾丸は、シャーロックを庇ったメアリーの命を奪ってしまう。

「(自分たちを守ると)誓いを立てたはずだ」と逆恨みするジョン。だが、シャーロックのもとには、生前のメアリーが残した録画が届く。「ジョン・ワトソンを救ってほしい」。メアリーの最後の依頼だった。

△2023/12/15 Apple TV鑑賞。スコア4.3

▼シリーズ4エピソード2:臥せる探偵(The Lying Detective)。原案は『瀕死の探偵(The Adventure of the Dying Detective)』

複数の病院を経営し、慈善事業家としても知られるカルヴァートン・スミスには秘密があった。シャーロックのもとを訪れた娘のフェイスいわく、「父は誰かを殺そうとしているが、その名前を思い出せない」。この時点でなにやら不穏な雰囲気が漂うが、メアリーを死なせてしまい、自責の念にかられてドラッグを手放せなくなったシャーロックは、混濁した意識の中で、「スミスはシリアルキラーに違いない」という結論にたどり着く。

スミスの病院に潜り込むことに成功したシャーロックは、メアリーとの約束を果たすために、おのれの命を賭して、スミスの自白を引き出した(ように見せかけて、彼の血液に混入されていたのは、ただの生理食塩水だった。全部、おしゃかさまのてのひらの上の出来事だったのだ)。

だが、そんなシャーロックも、別の誰かのてのひらの上で泳がされている一人にすぎなかった。ホームズ家のもうひとりのきょうだい、知性自慢のマイクロフトをして、ニュートン以上の天才だといわしめたユーラスその人だ。

△2023/12/16 Apple TV鑑賞。スコア4.6

▼シリーズ4エピソード3:最後の問題(The Final Problem)。原案は『3人ガリデブ(The Adventure of the Three Garridebs)』、『マスグレーヴ家の儀式(The Musgrave Ritual)』、『グロリア・スコット号(The Gloria Scott)』など

ホームズ家にはマイクロフトとシャーロック以外にもうひとり、妹がいた。かつてシャーロックがかわいがっていた「赤ひげ」を隠し、自宅へと放火し、隔離された施設をも放火して、要塞島シェリンフォードへと収容されたユーラスの存在を、どういうわけか、シャーロックは記憶の中から消し去っていた。マイクロフトがユーラスの生存を両親にさえ黙っていたこともあるが、それだけではない。シャーロックには思い出したくない理由があったのだ。

人っ子ひとり抜け出せない要塞島にいながら、ユーラスはどうやってシャーロックやジョンの眼の前に現れたのか。それは、言葉で人を操るユーラスの能力がいかんなく発揮された必然の結果だった。そんなユーラスのおそろしさを知りつつ、マイクロフトは、ユーラスにごほうびを与えてしまう。5分間だけモリアーティとの接触を認めたのだ。復活したかに見えたモリアーティの映像は、ユーラスの依頼によって生前に撮られたものだったのだ。

ガラス張りの部屋に閉じ込められたユーラスの孤独が身にしみる。だが、ユーラスの魔力はそのガラスの壁をもやすやすとくぐり抜けてしまうのだ。

これが本当に最終話なのか。それは誰にもわからないが、ベネディクト・カンバーバッチは次のように語ったという。

「一時代の終わりかもしれない。正直なところ、一時代の終わりという感じがする。すぐに次へ進むのは少し難しい。この番組について、絶対無いとは絶対に言わない。戻って来たい、戻って来続けたいと思うし、それに備えている。それでも近い将来にはみんなが続けたいと思っているものがあって、とても完璧なものを作ったので、少し待って傍観しているべきだと思う。彼を再演しないなんて考えは本当にいらいらさせる。」

マーティン・フリーマンのニュアンスは若干異なるようだ。

「最後では、決定的なことかどうかは分からないけれど、一時停止という感じが確かにあった。確実にそういう感じがあった。自分は終わりを嫌がってなんかいない。つまり、人生や愛の終わりを望んでいる訳ではないんだけど、僕たちの作るものは、いつか終わりが来るべきだと思うんだ。」

いつの日か、シャーロックとジョンに再会したいとも思うんだけど、もうミセス・ハドソン(ユーナ・スタッブス)はこの世にいない。

△2023/12/16 Apple TV鑑賞。スコア4.8
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