ちんたか伍長

グッド・オーメンズ シーズン1のちんたか伍長のネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

英人のお客様が、ビールを片手に楽しまれていらっしゃった気になる作品が、まさかドラマ化していたとは。

6/9、4話まで観る。
これは、感想が長くなりそうだ、
一先ず最後まで観よう。

6/12、全部見る。

先ず、字幕版で観ました。
なんと、翻訳の杜撰なことか!
ちょっぴり英語を聴き取れるレベルの僕でも分かっちゃうくらい酷いですね。肝心のジョーク部分なんか、ほとんど訳されていないのでは?
その点に少しイラついてしまったので、大変楽しみながらも、なんか不完全燃焼な感じを残してしまい、改めて吹替版を鑑賞することに。
うん、吹替版、良かった!

さて、内容について。

とにかく、アズラフェルが、なかなかに破茶滅茶で笑えますね!
エデン追放の際、神から授かったエデンを守るための「炎の剣」をアダムとイブに授け、助けちゃう(しかも、後世それは悪用される)。ノアの洪水の際には、言葉にはせずとも、神のやり方に明らかな嫌悪を示しちゃう。パリでは、捕まって処刑されそうになる(この時点で相当なダメさ)上に、悪魔に助けられて、更には他人を身代わりにしちゃう。食や芸術に夢中で、ハムレットのために仕事をすっぽかしちゃう(勿論、フォローはクロウリー。この流れは最高に笑えた)。
もう、クロウリーが目を離せなくなるのも、なんとなく分かります。
そして、クロウリーの「悪さ」ときたら!
「一人を嗾すより、千五百万人をイライラさせる方が偉大だろ?」その通りです!で、全て自分にも返ってきてるところ、ホントに笑えましたね!そりゃ、アジラフェルから、「君は本当に悪い存在じゃない」なんて言われちゃうわけですよ。

こいつらホントに、悪魔・天使らしくないなぁ、人間くさいなぁ、と思っておりましたが、成る程人間を人間たらしめるきっかけを作ったのは、何を隠そうこの二人なんですよね。
僕はついつい、人間の生誕は原罪云々神様云々と堅苦しく考えてしまうのですが、この物語では、違うんです。
人間が彼らに愛され、彼らに似るのは、人間が彼らによってつくられ、彼らと共に歩んできたからなんですよね、そもそも。うーん、納得。

少年アダムの家庭環境も良かった。お父さんが、悩みながら、妻に助けられながら、慎重に育てていく様子。場面としては少ないが、その苦悩というか、労力がひしひしと伝わりました。

あと、「二重の否定」による、偏見への痛烈な批判も良かったなあ、ニクいね。

テーマ曲が各話毎に作り込まれているのもグッド。

原作を読んでみたいですね。
大変楽しませてもらいました!