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ミスター・サンシャインのsumiccoのレビュー・感想・評価

ミスター・サンシャイン(2018年製作のドラマ)
4.2
誰にも
なにひとつ
声をかけられないドラマでした。


1800年代から
1900年代に移り変わる頃の朝鮮。

朝鮮人から米国人になった男と
朝鮮人でありながら日本の浪人となった男、
そして
朝鮮で朝鮮人の美学を追い求めた男。

もうこの3人の存在だけで
見応えは充分すぎるほどなのに
そこに2タイプのヒロインが加わって
5方向から織りなす歴史模様の柄が
あまりにも、あまりにも見事で。

ドラマってハマれば
一気見するものだと思っていましたが
一話を一晩かけて
噛み締めたくなるドラマもあるんですねえ…


つらかったです。

見守るのがつらくて
引き留めたくなったり、
解放されてほしくなったり。

でも
それぞれの大切なものが
ひしひしと
切に伝わってきてしまうせいで
もしあたしがあの時代を生きていても
誰にも何も言えずに
ただ涙する脇役の一人だったと思います。

倒れ方も
立ち上がり方も
凛とした生き様が、本当に美しくて。

ドラマ自体も
ものすごく厚みのある、
詩的な作りを貫いていました。


「天におられる方々は
 互いのことをよくご存知です。
 仏様が神様の元へ導いてくださいます」

数ある名言の中でも
もっとも印象的なセリフ。

異なる信念をもって対立する人々でも
そこに確かなものさえあれば
最後は good bye ではなく、

"See you again."
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