回想シーンでご飯3杯いける

Sense8 センス8 シーズン2の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

Sense8 センス8 シーズン2(2016年製作のドラマ)
4.2
「マトリックス」シリーズで知られるウォシャウスキー姉妹が原案、監督として携わる壮大なSFドラマのシーズン2。

地球上の離れた場所にいる他人と感覚を共有できる8人の「感応者」が、戸惑いながら接近していくシーズン1に対して、このシーズン2ではいよいよ8人が「面会」し協力しながら、彼らを搾取しようとする組織に戦いを挑んでいく。

8人の感応者には各々特技があり、射撃や格闘技、ハッキングに始まり、俳優のリトは「人を騙す事」が得意という洒落の利いた設定。映像的に映画クラスのクオリティを誇るだけではなく、このように設定や脚本がとても映画的で面白い。また「面会」シーンに安いっぽいCGやエフェクトを加えず、映像上はあくまで普通の人間がそこにいるように描いているのも良い。誰がどこにいて、、、という細かい部分を見失いそうになるのも事実だけど、本作はそこのリアリティを追うドラマでは無いと思うのだ。作品の軸をしっかり自覚している製作者のセンスが素晴らしい。

笑いの要素が加わっているのも特徴で、感応者を囲む仲間(普通の人間)が、豊かなドラマを作り出している。彼等が特に劣っているという描写もなく、むしろ重要な存在として描いている事にも注目したい。

「ガンダム」に於けるニュータイプの概念にも似た特殊な設定を持ち込んだ作品であるが、極端にSFに走らず、ダイバーシティとコミュニケーションをしっかり軸に据えた、とても見応えのある人間ドラマだと思う。