エニワンセノービ

Sense8 センス8 完結編のエニワンセノービのネタバレレビュー・内容・結末

Sense8 センス8 完結編(2018年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

打ち切り後に続きを熱望したファンのための終幕であり、製作陣からのプレゼント。若干駆け足でご都合主義を感じますが、尺を考えれば仕方ないといったところでしょう。後味よく終わってくれてありがたい。

知覚を共有したら無類の強さを発揮する主人公達だけど、クラスターもいいことばかりじゃない。

特に無双っぷりを見せつける主人公達から一転、ショッキングなカーラの被弾シーン。クラスターの皆が、死ぬ痛み死なれる痛みに怯んで、誰ひとり何もできない。ヴォルフガングがボロボロと涙を流すけど、彼が泣くのも何気に初じゃないでしょうか。その分、クラスターメンバーを殺したというウィスパーズの異常性が際立つ。

本作のクラスターは明らかに「他人との共感覚的な繋がり」のメタファーだけど、現実的に彼らほど不足なく共感し合うことは難しいでしょう。特筆すべきはクラスターの周囲のホモ・サピエンス達だと思います。アマニタ、バグ、ディエゴ、フェリックス、ラジャンといった面々は他人との繋がりを持ったクラスター内の個人を、尊び支えてくれます。それがまた新たな繋がりを生み、感動的な結婚式や、喜びを享受する官能的なラストに繋がっていく。

ただ、ラストまさかの三人での性交渉で、ラジャンが感嘆の声をあげるシーンには笑っちゃいました。妻を訪ねたら置いてけぼりくらって説明求めたり、殺人の方法を嬉々として教わったり、まさか最終回でこんな可愛いキャラになると思わなかった。(笑)