クリストフォルー

殴る女のクリストフォルーのレビュー・感想・評価

殴る女(1998年製作のドラマ)
4.0
フジテレビから和久井映見への“功労賞”的なドラマという気がするが、この次あたりから、“主演女優”という冠が取れて、名共演者・実力派脇役のポジションに進み、俳優生命を延ばせたわけだ。可愛らしさを、ウリではなく武器に変えて、説得力のある演技でドラマを成立させる技量は、年を重ねても重用される。のちに、宮﨑あおいの主演で『篤姫』を描き出す田淵久美子の目は、本作で啓かれたのかも。

近年は、女子ボクサーを主人公にした作品も目に付くが、本作のような設定のドラマは無く、唯一無二と言っていい。単発ならまだしも、プロボクサーと素人トレーナーの関係を軸にしてワンクール作るなんて、いまのテレビ業界では通らないだろう。最近の『未来へのテンカウント』も、かなりイロイロ盛り込んで、どうにか持たせたという感じだった。
放映当時、ゆるいコメディ展開を楽しみながら、二人の会話のやり取りを、どこか羨ましく思っていた。なにげに喋り合えるって、やっぱ大事なんだよ。
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