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ストレンジャー・シングス 未知の世界 シーズン1のレクのレビュー・感想・評価

4.1
小さな街で起こった少年の失踪事件と超常現象。
ギリシア神話やクトゥルフ神話をモチーフに神話的存在、宇宙的恐怖に晒されつつ表と裏の世界、正気と狂気が描かれる。


1980年代を舞台にしたこのドラマは、超能力者、電子音のサントラなど1980年代のSFやホラー映画の定番ネタがたくさん詰め込まれています。

主人公の少年たちは『スタンド・バイ・ミー』や『グーニーズ』だし、『E.T.』っぽい自転車にも乗っている。
郊外の一家が怪奇現象に見舞われる様は『ポルターガイスト』、失踪した少年とその母親は『未知との遭遇』を彷彿とさせる。
主人公の部屋には『遊星からの物体X』のポスターが、失踪した少年の兄の部屋には『死霊のはらわた』のポスターが貼られている。

今作のクリエイター、ダファー兄弟は906人の少年と307人の少女を子役のためにオーディション
そしてオーディションでは、すべての子どもに『スタンド・バイ・ミー』のセリフを読ませたらしく、子役の演技力も素晴らしい。
ちなみに第4話のタイトルは"The Body"で『スタンド・バイ・ミー』の原題と同じ。
劇中に出てくる線路を歩くシーンなどはそのもの。
失踪した少年の母親が壁をぶち破るシーンは『シャイニング』を思い出させるし、超能力の研究施設は『スキャナーズ』を、超能力は『キャリー』あたりを思い浮かべる。

タイトルロゴは『エイリアン』『スーパーマン』『グーニーズ』などの映画をデザインしたリチャード・グリーンバーグで、80年代のスティーヴン・キングのUS版ハードカバーによく使われていたフォントへのオマージュ。
また、裏の世界のクリーチャー、デモゴルゴン(不気味な悪魔の意)はギリシア神話では混沌と夜が支配する領域の住人として登場する。
第8話では、明らかに意識したであろう『エイリアン』のオマージュもある。

正直、周りが評価し過ぎなところもあって観始めた時はこんなものかと思ったが(笑)4話辺りからだんだん面白くなってきた。
なによりウィノナ・ライダーと署長が良い(子役じゃない)。
映画好きが面白いというのも頷けるし、結局シーズン1を2日で観終わった。
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