ぱーでんねん

SUITS/スーツのぱーでんねんのネタバレレビュー・内容・結末

SUITS/スーツ(2018年製作のドラマ)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

シーズン2を見てから、後追いでシーズン1を見始めた。

1話
「甲斐先生はどこにいるんですか」から1話スタート。
甲斐と鈴木のモーニングルーティンを交互に見せることで、2人のタッグ感を表現。
織田裕二の自信に満ち溢れてて、皮肉家で透かした感じがカッコイイ。
自分がシーズン2から見ているから違和感があるのだろうが、新木優子の雰囲気がシーズン2より幼い感じ。トゲがあるのに、少し自分に自信のないイメージ。それに対して、中村アンは甲斐に似て、自信満々な玉井を演じる。
あらすじとしてまとめると、
司法予備試験を高校生で合格した天才が替え玉受験で弁護士の道を閉ざされながらも、ひょんな事から絶対に負けない弁護士の甲斐と出会い、名前を変えてまで甲斐のアシスタントとして弁護士で上を目指すストーリー。
これだけでもう面白い。このバックを知った上でシーズン2を見たら、何倍も面白くなるだろう。逆に言えば、シーズン1なしでは見れないかも。
麻薬取引の運び屋から逃げた先で、弁護士のアシスタントと面接に遭遇するって出会いもぶっ飛んでて面白い。
2の次話までにシーズン1を見切りたい。

2話
セクハラ問題がテーマの本話。
シーズン2を先に見たから違和感があるのだろうが、自信が無い鈴木がおかしく見える。
詰めが甘いところも初々しい。
甲斐や幸村は相手に突っ込むんじゃなくて、リズミカルに嫌味や脅しにして返す話し方。気持ちいい。
「クライアントに同情するな」
「勝てもしない勝負に突っ込んで、討ち死して誰が得をするんだ」
「(弁護士失格なのは)本気じゃなかったからだ。逃げ場作ってるような半端な人間は何やっても上手くいかない。」

3話
弁護士が越権行為し、クーデターを起こそうとするというが本話のテーマ。
頑固な職人親父vs自分勝手な自信家な弁護士
の構図は思わず笑ってしまった。それが甲斐の策略だったのには驚いた。
「こっち座れよ」の甲斐の一言が鈴木を弁護士として認めたという意味。
各話ラストの回収がすごく綺麗。エンディングのENDが流れるところもカッコイイ。

4話
どこの事務所も躊躇う悪評の幸村の元旦那の会社の薬害訴訟がテーマの本話。
訴訟を起こす側から提示された見舞金の書類を見る時の織田裕二の嫌そうな顔をする演技が絶妙に上手い。
「さすが甲斐先生。弁護士辞めて探偵にでもなったら?」幸村が甲斐に痛いところを突かれた時の返し。このコンビのやり取りが毎話面白い。
「初体験の相手になれて嬉しいわ」
「初体験にしては刺激が強すぎました?」ストーリーの中で関連も持たないように見えた甲斐の後輩の鈴木への言葉。
ある事を話しそびれた後、新婚カップルを装って、手を繋ぎ、肩を寄せながら物件を内見。その後、話そびれた被害者女性がシラミで悩んでいたことを話す。
内見のシーンがただ面白いシーンのように見えて、シラミを嫌がるフリにしっかりなっている。無駄のない台本の構成力がすごい。
鈴木と甲斐が扱う問題には関係がないように見えて、鈴木の問題をヒントに甲斐が自身の問題を解決し、繋がってくるラスト。

5話
新章スタートと題された本話。
「中途半端な友情は優しさとは言わない。甘やかしだ。」
鈴木は幼い頃からの友人との関係を仕事のために絶たなければならないのかの葛藤に苦しむ。
以前の事件で、被告から逆恨みを買った甲斐。悪友との問題で悩む鈴木。お互いに悪い縁を断ち切れるかに繋がる。
「正義は勝つ、ですよね?」
「それは違う。勝者だけが正義だ。」
「甲斐先生ワンピース読んでるんですか、、」
フジテレビだからこそできるこのくだり。
暴力や汚い手を使って戦ってくる相手に法を盾に追い払う、とてもかっこよかった。

6話
本話のテーマは甲斐と蟹江のタッグがうまくいくかどうか。
「子犬みたいな顔して薬の運び屋やってたやつもいる」
「わん!」
このくだり自体が面白いのもあるが、これは中島ファンのためか?
蟹江の考えたという汚い策を聞いた甲斐の冷たい目。
大学内で親子が揉めるシーン。言ってる内容はかなりシリアスなのに、bgmがポップなせいで、軽い親子喧嘩に見える。
甲斐の思いとは裏腹に、自身の手柄ばかりを気にして足を引っ張る蟹江。この凸凹コンビがどう問題解決するか。
甲斐は鈴木に対して、何度も「いい加減親離れしてくれよ」と言う。この言い返しに、子離れを鈴木は甲斐に挑発する。この子離れを鍵に、親子問題の方を解決。
甲斐の方は蟹江が掴んだ情報を元にフィナンシャルを追い詰め、無事解決。本話まで蟹江のマイナス面ばかり見せていたが、甲斐と協力して問題解決することで、蟹江の良さを本話で見せた。
とうとう本話で、鈴木の経歴詐称の件がバレるかと思ったが、ハーバードのアーカイブまで写真変更されていて無事にことなきを。ハッカーと言い合う時の二人の安堵の表情。

7話
嫌味と同時に始まるオープニングの音楽
本話のテーマはホテルの合併条件について。題は超緊急事態発生!
「野暮用が何かって、それを聞くのこそ野暮じゃない?」
かっこいい返しだ。
木地屋に対して、鈴木を会わせるのはまずいんじゃないかと話をふっておいてからの木地屋の表情。笑ってしまった。
甲斐と幸村を足して蟹江で割ったと表現される聖澤の父の役は竹中直人。貫禄も申し分ない。
弁護士が自分が顧問している会社のことをうちと呼ぶことに違和感があった。社長の経営にすら口を挟むようだし、本当に自分のものような感覚があるのだろうか。
シーズン2の1話を先に見ているから分かっていたが、普通に見ていたら、やっとここで出てきたかくらいの上杉の話。
甲斐の常套手段である相手の弱みに付け込む作戦。今回はタイが鍵。
鈴木の元に、以前のように替え玉をやって欲しい友人がいるという話が。その友人とは聖沢のこと。それを知った上で、職場で会う鈴木の気まずさ。
中村アンと新木優子のツーショットは7話目で初じゃないだろうか。
幸村上杉法律事務所の上杉の不在からくる会社名の非重要性を理由に、合併後のホテルの名前を譲るべきだという聖澤父。リンクがすごく綺麗。
蟹江の爪いじり

8話
鈴木と聖澤のくっつきそうでくっつかないこの感じ、面白い。
「カニは手足が10本ある。やれるだろ?」
「そのうち、8本は足だ!」
甲斐と蟹江の口争いも毎話面白い。
本話のテーマは集団訴訟。被告側の弁護士は甲斐の後輩弁護士。勝つための手段を選ばないやり口は甲斐と同じ。原告一人一人を脅迫したり、被告企業専務の横領を暴いたり、化けの皮の剥がし合い。
ハイタッチする時の新木優子のニンマリ顔。
急加速する鈴木の恋模様。
今回ばっかりはもう負けたかと思ったが、ギリギリのところでひっくり返し、勝利。最終章が楽しみだ。
織田裕二劇場みたいなところはあるけど、自信家で口上手な甲斐がハマり役だと思う。

9話
甲斐がついにシニア昇進。
「笑顔が硬い」
「笑顔に見えてりゃ上出来でしょ?」
毎話、つかみのアメリカンジョークが面白い。
本話のテーマは幸村の知人の会計事務所のエース経歴詐称。かと思いきや、会計事務所社長の水増し請求だった。
経歴詐称について親近感を持った鈴木は経歴詐称の会計士の肩を持ち、甲斐の思惑とは逆の行動をする。
この経歴詐称の会計士の解雇は氷山の一角に過ぎず、経教連の役人という大物と争うことに。
「一度剥がれたメッキは戻せない。」
思いを寄せる相手と付き合ってるかどうかを聞かれ、フラれたから付き合ってないと言わなきゃいけないもどかしさ。
鈴木の記憶力がいつも以上に光った本話だったが、あんな人間がこの世に本当にいるのだろうか。

10話
甲斐の検事時代の後輩である現、最高検監察指導部の沢田が柳の不正の件で甲斐に協力を求めてきたのを甲斐が跳ね除けたため、対立関係に。
鈴木は幸村に素性がばれ、鈴木を試す目的で蟹江と遺産相続の案件で争うことに。
鈴木は結果的な蟹江に負け、幸村に首にされる一歩手前。
柳は過去に甲斐が検事として担当した事件で、証拠隠蔽をして無実の人を牢獄行きにしていた。

最終話
「正義を貫くのであれば、時には小さな悪に目を瞑らなければならないこともある。」
「男の人ってなんで一人で秘密を抱え込んじゃうんだろうね。一人で抱え込んで、苦しんで。それでも何かを守ってるからこそ、戦うことができるのかもね。」 
本話では改めて、正義とは何かと考えさせられた。
「バーガーでいい。」「あ、ポテトもつけるよ。」甲斐と蟹江の2人の皮肉の効いたやりとりはいつも面白かった。蟹江演じる小手伸也が本作に最もコメディ感を与えていたことは間違いない。
ファームの不正を全て公表すると幸村を脅し、その代わりとして鈴木の経歴詐称を見過ごしてもらうことに。
ラストの新木優子のニンマリ顔からのいかにも続編がありそうな終わり方。正直、事件の方へのウェイトが大きく、人物関係についてもう少し見たかった気もする。特にラストはさらっとだけで、かなり短かった。続編を見越してのことだろうが。

suits2の1話が思いの外面白く、様子見で見始めた本作だったが、今となってはシーズン1のバックがなければシーズン2の面白さは半分以下だと思う。アメリカでヒットしたリメイクだからだろうが、本作では日本人はあまり使わない皮肉が多く見られた。これについては賛否両論あるだろうが、自分はとても好きだし、織田裕二が非常にはまり役だと思う。真っ直ぐだけではうまくいかないこの世界で、多くのものを抱えながら働く大人たちがとてもかっこよかった。

3話
ストーリー
suitの中では珍しい甲斐と蟹江の湿っぽい友情のシーン
キャスト
新木優子が見せる幸せが溢れるの満面の笑み、ストーリーがなくても幸せそうであることが伝わってくる。
中島裕翔演じる鈴木がシーズン1から比べて、鈴木としても1人の演者としても大きく成長している。「分かってます、でもやっぱり辛い。」から伝わってくる。
テクニック
夜から朝に変わる時間の動きを早回しで見せる雑観。
ラストの聖澤を鈴木が後ろから見守る引きのシーンはすごく良かった。その上、締めはダークアウト。
作品として
話の展開、フリの部分はテンポよく見せる。そのBGMを非常に痛快。
これだけ間が空いたのでどうしても説明っぽい箇所が多かった。
東京ラブストーリーで20年以上前に爆発的人気だった織田裕二と鈴木保奈美を本作でも大きく売り出すことで、本作の人気を得ようとしている。織田裕二や小手伸也、鈴木保奈美、演技派の俳優を起用し、非常に面白いのだが、これでは時代の流れが進んだ20年前には勝てない。若者にフォーカスを当てないとテレビは変わらない。あの頃の人気には戻れない。
ハート
「玄人ぶった素人が1番危ないんです。」