くるみ

THIS IS US/ディス・イズ・アス 36歳、これからのくるみのレビュー・感想・評価

4.7
ずっと前にNHKで放送された海外ドラマ。
録り溜めておいたのをちまちま消化し、ようやくシーズン1を全て観終わりました。
時間がかかったのは決して面白くなかったわけではなく、ながら見したくなかったから。
とても温かく素敵な作品で、泣かない回がないくらい毎話泣かされました。

物語は複数の男女による群像劇。

妻と子供たちを心から愛し、持ち前のユーモアと思いやりで家庭を支える三つ子の父親ジャック。

人気の主演作がありながらも、自分のキャリアや進む道に思い悩む若手俳優ケヴィン。

幼い頃から家族の中で一人だけ肥満体型で、何度もダイエットに挫折し、強い劣等感を抱いている女性ケイト。

幸せな家庭を築きながらも、赤ん坊の時に生き別れた実の父親を探し続けているエリートで完璧主義な黒人男性ランダル。

一見何のつながりもなさそうな彼らの共通点は同じ36歳という年齢、そして誕生日が同じ日であるということ。
物語は今と過去を行きつ戻りつしながら、時に複雑に絡み合い、それぞれの人生を紡ぎ出していく…


最初に作品に興味を持ったのは主人公の一人・ケヴィンの声を俳優の高橋一生さんが務めていると知ったこと。
しかし残念なことに、驚くほど声が合っていませんでした。
一生さんも一生さんの声もすごく好きだし演技も上手いと思っていますが、感情を込めれば込めるほどに上滑りして聞こえてきて…
そもそもの声質が全く違うので、これは上手い下手の話ではなく、どうしようもない問題なのだと感じました。
でも一生さんが関わっていなければ確実に私はこの作品に出会えていなかったので、その点については感謝しかありません。
ちなみにシーズン6まで続くようですが、あまりにシーズン1が良すぎたので逆に観続けるかは悩みどころです。

父親が二人登場しますが、どちらも本当に魅力的。
最後らへんに描かれていたウィリアムの絵葉書のエピソードが個人的には一番グッときました。


「人生がどんなに酸っぱいレモンを差し出しても、レモネードを作ることはできる」


心に響く素敵な言葉がたくさん詰まっていて、本当に本当に大好きな作品です。
多くの方に手に取ってもらえますように。
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