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恐竜戦隊ジュウレンジャーのShoMのレビュー・感想・評価

恐竜戦隊ジュウレンジャー(1992年製作のドラマ)
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マンネリ打破のための改革だった前作『鳥人戦隊ジェットマン』と打って変わり、王道的な作風となった『恐竜戦隊ジュウレンジャー』。

恋愛ドラマや敵の内紛がドラマの主軸だったジェットマンと違い、ジュウレンジャーは戦士としての使命が強調され、敵バンドーラ一味は内紛が起こる気配が微塵もないアットホームな空気感で憎めない。いつもなら大ボスの声を担当する渡部猛ボイスのブックパックも、よく見ると見た目が怖いトットパットも愛嬌を感じるのだから不思議。

王道ではあるもののファンタジー要素、試練や困難を乗り越え武器を手に入れるRPG要素、6人目の戦士と新機軸も多数導入されている。多少強引な展開はあったものの、6人目の戦士ブライ登場から剛龍神初合体、キングブラキオンと大サタン登場、「ブライ死す…」までのブライ退場編、最終決戦の盛り上がりがすごい。

魔女バンドーラ(曽我町子)を「子供嫌い」に設定し標的にされることで、子供たちを無理なくドラマに組込むことが可能に。さらに終盤明かされるバンドーラの過去が、子供嫌いと結びつく。

だいぶ序盤に登場した恐竜の卵が「この世界を巡る命」を象徴し、最終的に物語がそこへ収斂されるのも見事。


基本的に連続エピソードが多めだが、単発エピソードで好きなのは以下。
「ご主人さま!」(杉村升・荒木憲一/渡辺勝也)
「射て!黄金の矢」(荒川稔久/東條昭平)
「カキ氷にご用心」(井上敏樹/雨宮慶太)
「忍者戦士ボーイ」(高久進/坂本太郎)
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