りゅう

荒神のりゅうのレビュー・感想・評価

荒神(2018年製作のドラマ)
3.3
ストーリーはシンプルなもの。
しかし、人間関係の捩れ方や黒さが独特。
これが、宮部みゆきの特徴なのだろうか。

ストーリー、設定など「もののけ姫」の影響を受けていると思われる。
アシタカが村をさる時、駆け寄って刃物のプレゼントをすることで、カヤとアシタカが恋人同士であることがわかる。信頼の意味を込めてカヤはアシタカのことを「兄さま」と呼ぶが、実際には兄弟ではない。荒神では、この2人を実際に兄弟にしてしまった感じか。

近親婚により化け物が生まれるというのは、「狗神」も思い出させる。
本来、神々の契りも近親婚的であり、そこから神が生まれているので、これは当然か。

曽谷弾正
2面生のある人物。
冷酷で怪物を倒すため、妻を生贄に捧げることを躊躇いもなく考えつく。
しかしながら、怪物の元から逃げて状況を報告するために帰ってきた部下を手厚く労う。

怪物
人の手によって作られる怪物。
作り方の残酷さ、禍々しさが怖い。

シン・ゴジラとデザインが酷似していたのでスタッフや関係者が2作品で共通しているのかと思ったが、明確な答えは得られなかった。

気になった点
怪物から逃れるため井戸に隠れるのだが、
セットの井戸の中の石の切り口が直線で、作り物感が丸わかりになるのが残念。
怪物から逃れる緊張感のあるシーンだが、
少し薄れてしまった。

良いシーン
田んぼの中を逃げる人々。
人々を舐めで、怪物が背後から追ってくるシーンは、怖さがあり良かった。
りゅう

りゅう