だるまる

鳳凰の飛翔のだるまるのレビュー・感想・評価

鳳凰の飛翔(2018年製作のドラマ)
4.7
70話完走したことに拍手したい。
あと、ラストを引きずってレビューもなかなか書けずだった。

宮廷物。権威ある者いかにあるべきか、自由に生きられるのは誰なのか?

寧弈(チェン・クン)と鳳知微(ニー・ニー)2人がしあわせに添い遂げられたらいいな、と願いながら最後まで観た。切ないし悲しすぎて泣ける。美しい悲恋。
・・実在しない天盛皇帝の時代の話。作り込まれた豪華なセット、衣装がとても好きだった。登場人物たちも味があって◎(特に寧弈と皇帝をそばで支える趙淵役)
知微(読み方 ズーウェイ)が、知性があって自立心の強い女の子だったのがよかった。
・・ストーリーは重厚で複雑。権力争い(帝位を巡って)がメインでありながら、美しい愛が繊細に描かれていてそこもよかった。

傍目から感情を読み取るのが難しい皇帝。
感情を読み取られないことこそ大事だなと思うなどした。計略を読み取られちゃダメだし。(秘密主義にすると計略は実行しやすいって、『超訳 孫子の兵法』のどこかに書いてあったな)
全編通して激動だった。。あと、人がたくさん死ぬ。物語としては割合どの箇所も綿密で情報量しっかりしてる。
中盤あたりまでがコメディ感も程よい。ニンイ、ズーウェイそれぞれの立場がありながらも、まだお互い明るい未来を夢見てそれぞれ邁進していて、辛いことはありつつもイキイキした時間が流れてて良い(楽しい気持ちで観れる)◎
最後20話あたりは特に怒涛の勢い。最後になればなるほど、寧弈の、権威ある者特有の身動きの取れなさ、誤解されやすさが顕著で観てて苦しかった。
知微が終盤で周りの人々に翻弄されまくってたのを観て、これは元々の後ろ盾がない状態で寧弈の元に嫁ぐのは無理だな(嫁いだ後も翻弄されたりしちゃダメだから)と思ってしまった。知微は特に、過去に囚われた人達(自身の母親や宋先生、兄)に弱い。過去に囚われた人達は、どうして新たな時代を生きる人々に過去と過去にまつわる希望を背負わせようとするのか。勝手に人を自分の望みの犠牲にしようとしないで欲しい。

あと、寧弈が最後に近付くほど父(皇帝)に似てくる(振る舞いや思考等)のが観てて苦しい。寧弈は父への理解が深まったかもしれないけど、それはそれで辛いことだね。(より孤独で厳しい状態になったってことだから)
『権威のある者ほど自由には生きられない』特に民のためによくありたいと願う王はそうだよね…。そしてとても孤独。寧弈に幸あれと思わずにはいられなかった。

寧弈(読み方 ニンイ)が髪を結っている状態はとても美しくて色気もあるなと思っていたが、髪を下ろしたり、ちょび髭を纏うようになる(終盤)とかっこよくないな…と手のひらを返す感想を持ってしまって、自分がいかに軽薄に見た目に左右されるかよくわかった。志や立居振る舞いで、心掴まれてたわけじゃないのか、、笑
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