daiyuuki

ザ・ボーイズ シーズン2のdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ザ・ボーイズ シーズン2(2020年製作のドラマ)
4.7
ブッチャー(カール・アーバン)がいなくなってからというもの、指名手配犯の“ザ・ボーイズ”は、地下の隠れ家で身を潜めていた。
ヒューイ(ジャック・クエイド)は密かにスターライト(エリン・モリアーティ)と面会し、“ヴォート社”からのコンパウンドV持ち出しを依頼する。一方、相変わらず左遷されたままのディープ(チェイス・クロフォード)、コンパウンドV依存で心肺停止となったAトレイン(ジェシー・T・アッシャー)など、問題続きの“セブン”に新メンバーのストームフロント(アヤ・キャッシュ)が加入する。
殺されたマデリンの後任には、人材管理部のアシュリーが昇格させられる。超能力者の密入国を知ったCIA長官レイナーは“ザ・ボーイズ”にこれを伝えるも、いきなり爆死。
頼みの綱を失くした“ザ・ボーイズ”はピンチに陥る。そんな中、失踪していたブッチャーが突然現れる。自社の秘密施設にブッチャーの妻ベッカと彼女のホームランダーとの息子ライアンを隔離生活させていた“ヴォート社”。ホームランダー(アントニー・スター)は父親としてライアンとの距離を縮めようとするも、怖がられてしまう。
密かに“ヴォート社”打倒に動いていたスターライトはコンパウンドVの存在を暴露。真実を知らなかったブラック・ノワールやディープら“セブン”を含むスーパーヒーローたち、そして世間は“ヴォート社”の陰謀を知ることになる。
一方、ベッカの存在を知ったブッチャーは、“ザ・ボーイズ”にこれを告げること無くスーパー・テロリストの捜索に必死になる。理由を詰められると、テロリストの身柄と引き換えにグレイスからベッカの居場所を聞き出す、という真の目的をブッチャーは明かす。
そして、そのテロリストの1人がキミコ(福原かれん)の弟ケンジであることも判明する。ところが、引き渡しの途中、“ザ・ボーイズ”は“セブン”の攻撃を受け、ケンジはストームフロントに殺されてしまう。こうして計画は台無しに…。
そんな中、“ザ・ボーイズ”はグレイスから1970年代に活躍したスーパーヒーロー、リバティの情報を受け取る。そこで、ヒューイ、マザーズミルク(ラズ・アロンソ)、スターライトの3人は指定された住所に向かい、リバティの過去を知る人物からヒアリング。すると、このリバティなる人物がストームフロントと同一人物であることが判明する。
ベッカを救う計画が台無しになり、後がなくなったブッチャーは1人、秘密施設に侵入。難なくベッカと再会を果たす。夜中に再び密会した2人は脱走を約束するも、直前でベッカが息子を置いていけないと拒否してしまう。目的を失ってしまったブッチャー。“ザ・ボーイズ”から距離を取ろうとするも、ブラック・ノワールからの襲撃で窮地に陥ったヒューイたちを前に、もう一度打倒“ヴォート”を目指す。
ある時、ホームランダーが無抵抗の民を虐殺する映像が流出。コンパウンドVの一件とあわせて、市民の怒りは最高潮に達する。街では、ホームランダー、そして“ヴォート社”に対する抗議デモが展開。ピンチに陥ったホームランダーはストームフロントの一助により、なんとか窮地を抜け出す。そして、2人は肉体関係を築いていく。
スターライトは、ストームフロントのパソコンに侵入した際に、“セージ・グローブセンター”と呼ばれる精神科病院と“ヴォート社”の怪しい関係を突き止める。“ザ・ボーイズ”とスターライトはさっそく病院を訪れると、そこにはスーパー・テロリストを生み出すための実験が行われていた。不測の事態によりテロリストたちが脱走。その最中に、“ザ・ボーイズ”は実験の後始末を施設で担当していた元“セブン”のランプライター(ショーン・アシュモア)と対峙、グレイスの子どもを殺したという過去の因縁から身柄を拘束する。
ある時、母親から呼び出されたスターライト。この時、追跡していたブラック・ノワールの襲撃を受け、捕らえられてしまう。これを知ったヒューイは監視していたランプライターを連れて、スターライトの救出に向かう。しかし、会議室に入ったランプライターは突然自らに火を付け、焼身自殺を遂げてしまう。突然の出来事にヒューイは慌てるも、なんとか救出に成功する。
クイーン・メイヴは恋人との仲をこじらせ、Aトレインはディープが入信する教会に加入。そんな中、“ヴォート社”はコンパウンドVなど一連の騒動の為の公聴会を開く。ブッチャーは、証人としてスーパーヒーロー製造の当事者、フォーゲルバウム博士を召喚する。ところが、レイナーの時と同様に博士の頭部が急に爆発。これにとどまらず公聴会の参加者が次から次へと爆発し、現場はパニック状態に陥ってしまう。“ヴォート社”糾弾への道が絶たれた“ザ・ボーイズ”。状況が飲み込めないまま、最終話へと突入していく。
シーズン1は、死んだと思われていたブッチャーの妻ベッカが生きていてホームランダーとの間に息子ライアンがいたことが発覚するという衝撃的なラストだった。
シーズン2は、ホームランダー一強だったスーパーヒーローチーム「セブン」にホームランダーに匹敵するスーパーパワーの持ち主ストームフロントがホームランダーの地位を脅かし、アンチスーパーヒーローチーム「セブン」もブッチャーとヒューイが対立し、波乱の幕開けとなる。
だが、ヒューイとスターライトの付かず離れずの関係は変わらないし、ヒューイとブッチャーの共闘関係は変わらない。
ストームフロントに人気と地位を奪われそうになり、クィーン・メイヴは彼女のセクシュアリティを暴露し、スターライトは力で押さえつけ、コンパウンドVの件がスキャンダルになったAトレインを追い出して力でリーダーシップを握ろうとする一方、ベッカとライアンに対して異常な執着を見せるホームランダー。
ホームランダーに自らのセクシュアリティを暴露され勝手に「誇れるマイノリティ像」を押し付けられ恋人との関係が拗れて、密かにスターライトを助けることで腐敗した現状を変えようとするクィーン・メイヴ。
スーパーヒーローに関わる教会に加わり、イメージ回復しようとするディープ。
妻ベッカと息子ライアンを取り戻すため、仲間たちと喧嘩するブッチャー。
ブッチャーと喧嘩して、スターライトと仲を拗らせても、ふたりを見捨てられず深みにハマっていくヒューイ。
弟ケンジを殺された怨みで、暴走するクミコ。
スーパーパワーで敵も味方も吹っ飛ばし、SNSで世論操作するホームランダーを凌ぐゲスぶりを見せるストームフロント。
スーパーヒーローもアンチスーパーヒーローも、より拗らせ、闇を深め、バトルは血生臭さを増していく。
今回は、セレブがイメージ作りのために胡散臭い宗教家にお世話にになっていたり(トム・クルーズなどのセレブとサイエントロジーの関係のように)、トランプ大統領が移民に対する憎悪をSNSで煽って移民やテロや犯罪に対する恐怖を自分の支持に利用することの社会風刺が、絶妙にストーリーに取り入れられていて、余計恐ろしい。
妻ベッカと息子ライアンを取り戻したいブッチャーとベッカやライアンに異常に執着するホームランダーの父親同士のバトルなど、ドロドロした因縁や復讐の連鎖がさらにパワーアップしているシーズン2。
daiyuuki

daiyuuki