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ザ・ボーイズ シーズン2の群青のレビュー・感想・評価

ザ・ボーイズ シーズン2(2020年製作のドラマ)
3.9
前作のクリフハンガーから、やっとこさ観ました。


カロリーが高いです…この作品…観ていて非常に疲れる(褒め言葉)
敵も味方もキャラクターそれぞれの葛藤に少しずつ重ねられるし、でもコイツらクズだしなと天秤がゆらゆらと…笑


ヒューイはいつも不安に苛まれている。ほとんど精神病の域に達しているような感じ。救われて欲しい。アニーとのひと時が癒しで良かった。

ブッチャーはやっと会えた妻の居場所を知るために周りが見えなくなる。が肝心の妻に断られ茫然自失。色々経て彼が選ぶ選択に納得しつつも、でもこいつも何かと暴力で片付けようとするしな…笑

フレンチーはシーズン1で明かされなかった過去の罪が明らかに。因縁の相手との邂逅によって成長する。キミコに執着している部分はすごく納得。


敵側もなかなか。
セブンに戻りたいあまり宗教にハマる。これだけでもう笑っちゃうけど同情しちゃう。一度クジラに乗ってセブンに助太刀するけどあららーな結果に、ドツボにハマるが代名詞(勝手)のディープ!とやっぱり笑ってしまう。
最終話までずっとシリアスな笑いのダシに使われる。彼の受難は長い…元はと言えば種を蒔いたのは本人だが、これだけ辛いと同情してしまう。彼もまた宗教に執着して自立ができていない。

ホームランダーは本筋とは別のところで諸悪の根源っぷりがすごい。だがしかし彼もまた、最強故に孤独という悲しみを背負っている。
だれもが自分を特別視するし自分と同じくらいの力を持つ人に会えないから、自分をわかってくれないと思っている。だからこそ人一倍承認欲求が強く、世界一のヒーローの座に執着する。
ママ代わりの副社長がいないため(殺したのコイツ自身だけど笑)、暴走気味になるが彼もまた企業のコマでしかないことを社長に突きつけられるのが滑稽だし悲しい。
どうしようもなくなるとすぐ擬似ママに癒しを求めたり(このシーン気持ち悪くて好き笑)すぐ息子に会いにいったりする。
ここでもまた誰かに依存している。だからこそ、やっと会えた孤独を共有する相手との今までのが反動だったかのようなイチャイチャぶりがすげえ笑
しかも相手が相手だから最悪ー(褒め言葉)笑
結果最後まで自立できずに終了。おめえはほんとにクズだな!笑
オナニーがラストショットってすげえヒーローだな笑


ストームフロントは新キャラで最初こそ最初は歯に衣着せない発言でなんでも言っちゃってーだったなのに、どんどんマジ?コイツ?え、コイツ?となっていくのが面白い。

クイーンメイブはやっとこさ元カノとヨリを戻せたのにあるきっかけで前作からさらにやさぐれてしまう。彼女の諦観も分かる。彼女もまた元カノに依存してしまっている。


このように誰しもが何かに依存して、それがなければ自分は何もできないと、示している。しかもそれらは大抵あなたのとこを思っている、世界のことを思っている、という建前だ。
このメッセージが全体を覆っていると思った。

フレンチーは相棒兼彼女に、誰かをなんとかするのは所詮建前で自分が救われたかっただけ、自分をなんとかする理由を相手に見出すな、と言われる。
ブッチャーもまた、妻に君のおかげで救われた、と言うが一方妻には、私は人一人を救う力なんてない、あなたの描く私は幻想と答えられる。

フィクションに表される聖女的なヒロインに救済される男性像というのは最早時代遅れだし間違った価値観であるということ。
女性は男性を救うために存在しているのではない。お前はお前・私は私、で自立しているのが大人、というメッセージ。すごく腑に落ちる。

そしてその信念・自立を先に自分の中に落とし込めたアニー、クイーンメイブ、キミコのとあるシーンが最っ高に清々しい。やったれ!!!となる笑 マジで最高!


そしてラスト、ヒューイもまた依存していたあるものに別れを告げ次の一歩を踏み出す……



と思っていたかよバーカ!!みたいなオチで震えた笑

ヒューイも正攻法で次の一歩を踏み出し、ラストのアイツも正攻法で世界を握ろうと画策している。
それを知らないヒューイ。


オチとしては綺麗だし、各キャラの区切りも取れていたからこれで終わりでもまあ良かったと思うけどシーズン3が6月にあるぜ!どうなるんだ!


そういえば、頭を吹っ飛ばす能力者が出てきたせいで、いつ何どきにだれが話してる最中に頭が吹っ飛ぶか分からないから、ずっとハラハラさせられる。
どうにかしてく、、、、ぶっしゃー!(頭破裂)
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