群青

ザ・ボーイズ シーズン1の群青のレビュー・感想・評価

ザ・ボーイズ シーズン1(2019年製作のドラマ)
3.5
バットマンvsスーパーマンやキャプテン・アメリカ シビル・ウォーなどの、ヒーロー活動における一般市民の巻き添えをメインテーマとして描くシリアスなドラマ。


と、思っていたのか⁉︎笑


巻き添えなんか序の口で、そこにヒーローの腐敗、暴力、薬物、セックスが蔓延るシリアスブラックコメディに仕上がっている。

もうのっけからすごい。
超高速で駆け抜けるキャラが一般市民にぶつかったらどうなるかをまず提示される。そりゃたまげる笑
単なる事故でヒーローは本来、誇られるべき人間性を持っているかと思っていたら全く違っていた!
主人公に見せつけられるヒーローたちの裏側に空いた口が塞がらない。
そんなものを見せつけられたらやってられか!っていうことで主人公はクソッタレな真実に立ち向かうザ・ボーイズに入ることになる。まあ不本意ながらって感じなんだけど。
そしてこっちもこっちで癖がありすぎるメンバー笑 何せヒーローを貶めるためなら犯罪でもなんでもやってやる、毒をもって毒を制すやり口。
主人公をザ・ボーイズに勧誘するボスがカール・アーバンっていうのがまずびっくりした。

しかしここは主人公のジャック・クエイド。オーロラの彼方へのデニス・クエイドの息子さんだった事は見た後に気がついた。細くてヒョロイし。
このヒョロさがキャラクターとして活きており、弱そうなのが一旦腹を決めるとぶっ殺す!みたいなスイッチが入るのが狂気的でいい。シーズン2になるともっとすごいのだが…


もう一人の主人公は新人ヒーロー。なんとか努力してヒーロー会社のしかもトップヒーローたちの仲間入りができた!
と思っていたら、そこはセクハラと会社の方針のために作られるイメージを強制される世界だったと知らされる。

こちらは立場の上の人からの圧力。性搾取。うん?どっかで聞いた話だなー笑
奇しくも今まさに日本の芸能界が直面、いややっと表面化された問題と全く同じ。
これを良い機会に膿を出し切って欲しいよ。

今作のヒーローのリーダー、ホームランダーの鬼畜の所業を見ながらそう思う。こんな奴らが蔓延って良い世界じゃない!
でもコイツマジで強すぎてどうやって倒せば良いんだろう…そんなことを思っていたらラストエピソードまでいく。


後半はヒーローがどうやってできるのかが判明する。これだけでも会社の闇を感じられて反吐が出るが、それだけではなく会社が推し進める軍隊へのヒーロー配備の法案をアッと驚くマッチポンプで進めていくのが明かされる。利益追求って言えばなんでも済むのか、と言うレベル笑


ヒーローという偶像やヒーロー的なアクションを見れば見るほど今作の衝撃度は高いと思える。まさにカウンターのコンテンツ。だからってよっしゃ!っていうトーンじゃないんだけどね笑
とにかくヒーローをメタ的に下げ、殺人やその他グロテスクな表現をぶちかますのブラックなコメディなので、それを笑えるかどうかだ。個人的には笑えねーという感じで笑える。

あと、クリフハンガーで終わるのでそのままシーズン2を観るのもいいだろう。
疲れるけど笑
群青

群青