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八つ墓村のShoMのレビュー・感想・評価

八つ墓村(1978年製作のドラマ)
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人物を整理してはいるものの前半は原作に比較的忠実。が後半からはオリジナル展開が頻発。監督は大映の池広一夫なので、陰影を強調した様式美な映像を堪能できる。木枯し紋次郎こと中村敦夫の田治見要蔵が、逆手斬りなのは監督が座頭市の人だからか……。

川を染める赤い血、眼が光る能面、殺害方法の変更、墓場から伸びる手等、怪奇性と祟りを絵で強調する作りは良いけど、全体的な仕上がりとして地味なのは否めない。

瓦屋根と日傘を真俯瞰でとらえたカットは師匠・市川崑の『ぼんち』をリスペクトしたもの。第4話の終盤、鬼火の淵の描写はさながら大映妖怪三部作のような怪奇ムードで良き。

そしてラスト──原作よりもこちらは後味が悪い。これはこれで好きですけどね。
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