平成の始まりと共に業界の頂点に立った村西とおる（山田孝之）は、企画シリーズものを大量に制作するも、それらは黒木香（森田望智）と作り上げたヒット作「SMっぽいの好き」には遠く及ばず、停滞。
黒木は再び村西との作品制作を切望するが村西ははぐらかすばかりで、次第に二人の間はぎくしゃく。
そんな折、衛星放送事業への進出を勧められた村西は、「空からエロを降らせる」という野望に向け資金集めに奔走。
苦楽を共にしてきた社長の川田（玉山鉄二）は村西の暴走に疑念を抱くようになり、村西と決別。
村西は新会社・ダイヤモンド映像を立ち上げ、乃木真梨子（恒松祐里）ら新たな女優たちのプロモーションを始める。
やっと衛星放送を始めた村西だが、月々の衛星放送の施設の使用料など金策に困難してる時に、会計担当者に資金を持ち逃げされ、村西の転落が始まる。
衛星放送に着目する先見の明があったが、資金繰りなどでの独断専行、本業を疎かにするなどで失敗した村西とおるの転落と、不動産を担保にした融資に制限を掛ける総量規制によるバブル崩壊や暴力団対策法などの時代の変化がシンクロしていて、ギャング映画のラストのような寂寥感がある。
無謀な夢を諦められない村西たち男性陣より、挫折や不幸をバネに立ち上げる黒木香や乃木真梨子など女性陣の逞しさや森田望智と恒松佑里の肝の座った演技が印象的な完結編。
「下を見たかったら、オレを見ろ」
