このレビューはネタバレを含みます
数学者の二本松と野田はオーストラリアのホテルで授賞式を受けていた。
その夜、野田の妻と関係を持っていた二本松は彼女から夫を殺してしまったと相談を受け、彼女の罪を隠すためにトリックで死亡時間を偽装する。
偽の死亡時刻にアリバイを作るため、2人が仲良くなった日本人の観光客。
それが古畑任三郎だった。
シリーズ初のスペシャル版で海外撮影だけあって脚本も非常に気合が入っている。
犯行自体はお粗末な物だが、事件が入れ子のように複雑化するのが面白いし謎を深めている。
タイトル回収のシーンも非常にセクシーで、ひかるに罪がなすりつけられる辺りでは思わず同情してしまうが、最後にタネが明かされるのもテクニカル。
幸薄そうな女性に紳士的な古畑というシリーズの決まりをいれつつも、切れ者の犯人との対決物という構造の2つを1つの話に入れているのは、まさにシーズン1の集大成とも言える。