ゆみゆみ

ヤング・ポープ 美しき異端児のゆみゆみのレビュー・感想・評価

ヤング・ポープ 美しき異端児(2016年製作のドラマ)
5.0
説明臭くないのがバツグンに良い。そして、美しき異端児という邦題のサブタイトルは秀逸。1話目からめちゃくちゃ心がざわついた。

こんなにオシャレでポップで美しく、そして畏怖の念を抱くような不思議なドラマに出会ったことがない。とにかく洒落ている。そしてジュード・ロウの重厚感。なんだよこのドラマ。こんなに呼吸が重くなる作品は知らない。

回を追うごとに夢中になる。教皇の真意が読めない、もしかしたら悪魔かもしれない、教皇への狂信をなり振り構わず得ることを畏れ、完全な聖人であると確信し、また疑う。回を追うごとに自分の気持ちが揺れ動くのがわかる。

ピウス13世を見ていると太宰治を思い出す。狂人と聖人の紙一重感。

そしてタイトル出しのオープニングが秀逸。絵画の飾った廊下を歩くピウス13世。そこに星が降って来て絵画をずっと渡って行く、ピウスの歩く速度に合わせて。しかし途中からその星は燃え盛り、絵画の中の傘や屋根を燃やし始める。
スゴイ!まさしくピウス13世の危うさを表現してて、素敵だーオシャレだーと毎回思う。

しかし、なんちゅう作品。全てが美しい。
ゆみゆみ

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