鈴木パンナコッタ

仮面ライダーアマゾンの鈴木パンナコッタのレビュー・感想・評価

仮面ライダーアマゾン(1974年製作のドラマ)
3.3
デザインや設定は非常に面白かった。これまでの科学技術の粋を集めたライダー、特に前作Xからガラッとカラーを変え、秘境に伝わる神秘の力となったのは新鮮だった。生物的なデザインと設定がマッチして、バイオレンスなアクションと怪奇路線の相性はバッチリ。たれ目で愛嬌がありつつ、生々しいカッコよさ。
生物感の強い獣人もカッコよかった。非人間的なモンスターって感じで、アマゾン同様異文化っぽくて良い。十面鬼の着ぐるみというより大道具みたいなデザインも面白かった。ザルドスっぽいのに顔を追加して、インパクト抜群。カッコいい。反面、セットは超チープ。リソース配分はそれでいいのか。
普通、作品がヒットしてシリーズが続けばどんどん予算を増やすんじゃないの?なぜライダーって年々ショボくなるの。不法滞在者のアマゾンはともかくついにおやっさんが浮浪者になるし、敵も薄暗い部屋の中にいるだけ。異文化っぽさを強調するためにも、もっと敵基地の内装を凝ってほしかったなぁ。
前半のアマゾンが排斥される展開は面白かった。言葉も文化も異なるために異物として扱われ、誤解のために守るべき人々から逆に攻撃される悲しみ。ゲドンに理由もわからず襲われ、理解を得られない中で孤独な戦いを続ける姿はグッときた。それでも徐々に仲間が増え、協力しながら戦う燃える展開。
後半、ガランダーが東京をメチャクチャにしようとしてからはふつうのヒーローものになった印象。確かに敵の行動目的がギギの腕輪だと内輪揉め感が出てしまうけど、そこはアマゾンの孤独さとリンクしててむしろ良かったのに。アマゾンを放置したまま東京○○作戦が上手くいくわけないじゃん。
総じて、路線を大幅に変えた点は面白かった。マンネリ感を打破し、これまでにないカッコよさがあったと思う。が、結局いつものノリに回帰するのはなんだかなぁ、と。バイオレンス描写でごまかしているけど、従来のマジで命懸けの体を張ったド級アクションが薄れたのは残念。現代の派手なVFXに慣れた目で見ると、「まあ、こんなもんか」という程度よ。