身勝手な太陽

アスダル年代記の身勝手な太陽のネタバレレビュー・内容・結末

アスダル年代記(2019年製作のドラマ)
4.9

このレビューはネタバレを含みます

 韓国メディアによると、推定ですが制作費540億ウォン(約47億円)という巨額の制作費が話題になったドラマ(余談ですが、その次に制作費が大きかった「太王四神記」には、済州島の観光地助成名目の予算があったようで、それを利用して済州島にロケ地を建設したため、合算すると1,000億ウォンを超えるのだとか…。アスダルより10年以上前の作品なのに、ペ・ヨンジュンは偉大だわ…。まあ、制作費のみではアスダルが上です)。

 アスダルの内容は古代史ドラマなんですが、史実というわけではなくファンタジーですし、そこには伝説や神様や、謎の存在ネアンタル(青い血の巨人)、人間も部族として集落を形成して慎ましく生きていますが、その平和に暗い影を落とす戦乱が近づいていました。
 そこに「イグトゥ(ネアンタルと人間の混血で、流れる血は紫色)」である主人公ウンソムが登場し、アスダルを平定するまでの物語なのですが、注目すべきはそのウンソムに絶大な権力を与えるきっかけとなった女性ですね。

 はい、その人こそ13話から登場する唐田えりかです。

 モモ族のシャバラ(族長)であるカリカは、サトゥニクとの縁で訪れたウンソムとイプセンに感謝と礼を尽くし歓待しますが、その夜に同族の裏切りに遭い、まだ幼い赤子と共に殺されそうになります。 そこに駆け付けたウンソムが阻止して救った事で、カリカは部族の重要な掟に従い、恩には恩を死んでも返す、大切な仲間を殺されたら死んでも復讐するという掟を部族に呼びかけ、ウンソムを探させ、サトゥニクを奴隷として拉致し、死に追いやった者にも裁きを下します。殺るときには殺る女です(唐田さんの出演作では結構殺ってます。)
 
 さらに、モモ族のもうひとつの特徴が、自称「水から生まれた水の戦士」という、水泳と潜水と遠泳が達者な部族である事。これこそが後々ウンソムをタゴンと同等の権力と戦力を持つ神様に押し上げる鍵になりました。
 縁は異なもの味なものですが、馬上のカリカの手が鋭く振り上げられると首が地面にコロンと転がるシーンなどは、なんかスッキリしますよね。

 対抗馬であるタゴンを支えるテアラは、自らセナレ(blackpinkのジス、一瞬しか登場しない)を殺したりするので、殺人を躊躇しない残忍なイメージが付きまといます。
 シーズン2終盤にはタゴンもとんでもないものを大きな水瓶五つ分も作らせ無差別殺人鬼へと昇格するとこでした。

 さらにタゴンは、自分とサヤがイグトゥである事を知った者を必ず殺す掟に縛られています。それと対照的に、ウンソムはイグトゥである事を知られてもタゴンと同じことをしたりしません。

 そのあたりがシーズン2での決着へと繋がっていきます。
身勝手な太陽

身勝手な太陽