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ある春の夜にのIPPOのレビュー・感想・評価

ある春の夜に(2019年製作のドラマ)
4.3
まさにこの季節!桜満開の4月〜深緑爽やかな5月なのかな。良い作品だった。
『よく奢ってくれる綺麗なお姉さん』のスタッフにより、キャストも大勢こちらの作品に参加しているため、2作品を見比べるファンも多いよう。

『よく奢ってくれる〜』より自分はこちらの方がかなり好印象。外野の反対(しかも身近な親友と母)で精神的にボロカスになり、おまけに職場ではセクハラ被害に立ち向かうも返り討ちに遭う、バリキャリなのに脇が甘いヒロインだった『よく奢って〜』に引き換え、本作のヒロイン、ハン・ジミンの演技、芯があり説得力がありました。

多少ドラマ的な大袈裟展開はあれど、どこかトーンダウンしたストーリー展開が個人的には好みで、「まぁそりゃそうなるわな」とか「偉い!友達よく的を得たこと言ったな!」が多く、恋に盲目になりがちな韓流ドラマの男女とは違くて、脇役も含めてみんな現実感を持って作り込んだ世界でした。

DV問題なんかもありつつ、トータルでは、ステップファミリー(片親家庭)の親は第2の恋愛キャリアに進んで良いのか、また子持ちの相手をもし好きになったら…と言うテーマに絞り込まれていて惹きつけられました。
ハン・ジミンがヒロインで良かった。衣装が始終ユニクロのCMモデルみたいで、カジュアルとワーキングガールのミックス感がいつも似合ってました。

最後はやっぱりチョン・ヘイン論。
わかりました、謎が。チョン・ヘインは地顔が寂しそう、無理してそう、何か抱えてそうな顔立ちなんだね。
だからそんな彼が笑うととびきり安心してしまう。温度が低い中で喜怒哀楽を体現する彼はやはり芸達者。

30代前半のこれからは、恋愛トレンディを抜け出し、アクションやダークな表情も期待したいところ。

2作品の比較はほんとに面白い。大抵の役者は、『よく奢って〜』より良い配役にレベルアップされていた印象。
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