どこにでもいそうな気の弱い青年が、オレオレ詐欺の実行犯として成功していく話。
こういうクライム系にありがちな、結構コミカルな描き方をしているが、最後はかなりシリアスになっていく。
詐欺をいやがっていたはずなのに、だんだん楽しくなってきちゃって自分からすすんでその沼に入って行ったのが印象的。
人は誰かに求められたり褒められたりすると、たとえそれが倫理的に間違っているとわかっていても要望に応えようとしてしまうのかもしれないと思った。
わりと最初の方に出てくる「金を溜め込む老人は悪」という理論は、ちょっと気が滅入っているときに聞くと簡単になびいてしまいそうだけれど、でもよく考えれば暴論。
他人から金を巻き上げておいて、自分は安心安全なんていう理屈が通るはずがない。
でも昔に比べて明らかに格差は広がったし、こういう勝手な恨みを持つ人はこれからも増えるんだろうなと思うと、ちょっと怖い。
ドラマの結末は予想通り。
一度悪の道に足を踏み入れてしまったら、それを意地でも続けるか、代償を払うことを覚悟で抜け出すしかないのかもしれない。
それにしても世の中には、人のために事業をして金儲けする人か、人を騙して金儲けする人しかいないんだなぁ。。とつくづく。
