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ワンダヴィジョンのdaiyuukiのレビュー・感想・評価

ワンダヴィジョン(2021年製作のドラマ)
4.7
 マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)のフェーズ4の幕開けを飾る本作は、ワンダ・マキシモフ(エリザベス・オルセン)とヴィジョン(ポール・ベタニー)の夫婦生活をシットコム形式で描くドラマシリーズ。
毎話異なる年代が設けられており、初回はモノクロ映像に観客の歓声(実際に観客を入れて撮影している)など、往年のシットコム作品のような雰囲気が漂う。
郊外の静かな街に引っ越してきた、“普通の”新婚夫婦であるワンダとヴィジョンは、「奥さまは魔女」風のシットコムを笑顔で繰り広げる。オープニング映像では、役を演じる俳優(エリザベス・オルセンとポール・ベタニー)ではなく「ワンダ・マキシモフ」と「ヴィジョン」でクレジットされており、これが一種の劇中劇であることを示唆している。
新婚ホヤホヤなワンダとヴィジョンは、ニュージャージー州ウェストビューに越して来たばかり。
彼らは、スーパーパワーを隠しながら、上司のハート夫妻を自宅でもてなしたり、町内会の子供のチャリティーのためのお祭りでマジックショーを披露したり、町の人と仲良くするために失敗は多いけど、彼らの愛は揺るがない。
だが、ウェストビューの外では、ウェストビューの人々が大量に失踪し、ウェストビューは巨大なエネルギーの磁場に覆われていて、シールドに代わって世界の安全を守っていたS.W.O.R.D長官のヘイワードは、サノスの指パッチンにより一時消滅していたがアベンジャーズの活躍により復活したモニカ・ランボーやソーに協力した経験のあるダーシー・ルイス博士の協力の下、ウェストビューに侵入し調査しようとしていた。
果たして、この世界を作ったのは、誰なのか?
「アベンジャーズ・エンドゲーム」の後、新しいフェーズの始まりとなるストーリーとなるオリジナルドラマ。
前半部分は、ワンダとヴィジョンがラブラブな夫婦生活を「アイ・ラブ・ルーシー」「奥さまは魔女」などのシットコムへのオマージュ満載に描きつつ、ワンダとヴィジョンに何故かウェストビューに越してくる前の記憶がないことなど少しずつ変なところを小出しにしつつ、後半ではワンダの隣人アグネスやジェラルディンの正体やウェストビューの外でS.W.O.R.Dがどのように調査しているのか、そして「アベンジャーズ・エンドゲーム」の後でワンダがどうしていたのか?ウェストビューに築き上げた世界はどのように出来たのか?などの謎解きとワンダの魂の終着点が描かれる最終回まで、巧みに謎を散りばめつつ伏線を回収していくストーリーがよく練られていて、ヴィジョンの死を受け入れられないワンダがやむなくしてしまった苦悩が分かるだけに後半になると切ない展開が続いたが、ワンダの苦悩を理解できるモニカ・ランボーやダーシー・ルイスとワンダの連帯感が救いになったので、最終回の後のワンダが描かれるであろうマーベル・コミックの新作映画が早くも楽しみになりつつも、伏線をチェックしながらリピートしたくなったアメコミドラマ。
ディズニー+で、配信中。
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