レインウォッチャー

ホークアイのレインウォッチャーのレビュー・感想・評価

ホークアイ(2021年製作のドラマ)
5.0
アヴェンジャーズの初期メン神6の中で最推し、ホークアイことクリント・バートン初の主役作。ずっと待ってた。

エンドゲーム以降のMCUドラマといえば、奇想のワンダヴィジョン、男臭いファルコン&ウィンターソルジャー、壮大すぎるロキ…とどれも見どころ満載ながらそれぞれが重たくもあり、あまりに大きく膨らんだMCUの世界をどうにか納得できる形で束ねようとするロデオのような苦闘が見えるのも事実だった。(それをなんとかやってのけているのだけでも凄いと思うのだけれど。)
それに対して今作は久しぶりにフットワークが軽く等身大で、笑って熱くなって、でも最後にはぽろぽろ泣いてしまうような、まさにMARVELからのクリスマスプレゼントにふさわしい作品になっていると思う。

ホークアイに憧れる少女ケイト・ビショップ(ヘイリー・スタンフェルド)はまさにわたしたちファンの想いを具現化したようなキャラクター。彼女は、わたしたちがクリントに対し思っていることを全部言ってくれるのだ。良いことも悪いことも、そうそう!と的を射ている(ホークアイだけに)

これが、初めはウザ絡みの彼女を遠ざけようとするクリントもやがて…という王道のバディものスタイルをとりつつ、まるでわたしたちも一緒に戦っているような気持ちにさせられる…という効果を生む。
劇中にはコメディ的役割としてRPGなりきりサークルにハマっている警官たちが登場するのだけれど、ただのギャグに見えて意外と象徴的だ。つまりVRゴーグルなんかなくたって、エモーションの重力で次元の壁は超えられるのである。

そしてストーリーのもうひとつの軸である「クリスマス」。
クリスマスとは、誰もが誰かを「赦せる」日だ。そしてそれが自分に対して、であってもきっと良い。時には誰かの存在が、自分の中に抱えた罪や課した罰を溶かすこともある。
「クリスマスに一人でいるなんてダメだよ!」というケイトの図々しさ、見習いたいね。

何はともあれ、今年最後のMCUをこの作品で〆てくれて本当にありがとうという気持ち。
今後のMCU本編に、クリントは登場するのかな。今回でしばらくはお疲れ様、と思いつつ、きっとエレーナやケイトのここぞ!というピンチを救ってくれるんじゃあないかと期待している。
クリント、貴方はいつまでも最高のヒーローだよ。