りょうすけ

ウォッチメンのりょうすけのレビュー・感想・評価

ウォッチメン(2019年製作のドラマ)
4.0
「ウォッチメン(吹替版)」

原作、映画「ウォッチメン」のその後を描く物語。映画では設定が改変されているので、このドラマとは展開が異なる。

僕は映画版は鑑賞済みだが、原作は未読。そのため、初めのうちは少しわかりにくい点も多かった。そもそもこのドラマ自体が最初のうちは伏線を貼りまくって後で全部回収するという流れなので、そのせいかもしれないが...

1話は導入なので面白かったが、2〜5話は比較的平凡、そこまでおもしろいわけではない。しかし6話からの展開は非常に面白い。初のヒーロー、フーデッド・ジャスティス誕生の物語は当時の時代背景に合わせて白黒で語られ、とてもドラマとは思えないほどの完成度。

そしてその後、語られる衝撃の真実。深夜に7話を見たら9話まで止まれずに一気に見てしまった。

実際の出来事とフィクションが折り混じった作品なので、アメリカがベトナム戦争に勝利しベトナムがアメリカの州になっていたり、映画版で取り上げられた1985年(設定は全く異なるが)の出来事で米ソの歪み合いはなくなり、ロバート・レッドフォードが大統領に就任し、ブッシュ(父)大統領の時代がなくなったりしている。

その上、1921年のタルサの大虐殺の犠牲者及びその子孫に賠償金が支払われ、白人至上主義者たちの思想は過激化。映画版や原作で死んだヒーロー、ロールシャッハのマスクをかぶった”第7騎兵隊”と呼ばれる団体も存在している。2016年にタルサ警察は第7騎兵隊の襲撃を受け、警察は全員が身分を隠すためにマスクをして顔を隠さなくてはいけなくなってしまった。

実際の人種問題について考えさせられるような展開となっているので、ただのアメコミドラマとして見るのは非常にもったいない。どちらかというとアメコミというよりもアメコミという名目を借りた社会派ドラマ。

DCコミック原作の作品で、現在のDCEUでアルフレッドを演じているJ・アイアンズやブラックマンタ役のヤヒヤ・アブドゥル・マーティン二世や「ビールストリートの恋人たち」でアカデミー賞助演女優賞を受賞したR・キングも出演しているので顔ぶれはすごく豪華。

僕はすべての話数を吹き替え版で鑑賞したが、吹き替え版を制作した人もわかってるな〜という作りだった。普通に声優豪華だし、Drマンハッタンの声優は見てからのお楽しみということにしてもらいたい笑

18歳未満鑑賞禁止のドラマだが、該当箇所はおそらく男同士のセックスとDrマンハッタンのデカマラのみなので、R-15でも良かったのでは?と思ってしまう。

ドラマとしては映画レベルかそれ以上の出来なのでアメコミ好きだけでなく見てもらいたい。
りょうすけ

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