マクガフィン

おいしい給食のマクガフィンのレビュー・感想・評価

おいしい給食(2019年製作のドラマ)
3.9
コミカルの効きが良い吹っ切ったB級的な演出だが、給食を通した人情味を加味することに。
給食のシュチュエーションを整えること(机の配置)、給食の入場(教室に運ぶ)、給食前の校歌斉唱(儀式)。ボクシングの世界タイトルマッチと同様な手法で、〈給食〉が拡張ある儀式に昇華し、給食前の準備期間やワクワク感がたまらない。
大人と子供の対比をしつつ給食で結びつけること。同族的な男主任と男生徒の給食愛は高い位置で共鳴して、カタルシスは開放するが、女性陣の恋愛模様は開放しないことは、あくまでも給食が絶対的なメインである為と捉えよう。恋愛要素すら敵わない、給食に対するスピリチュアルな同族愛が可笑しくも。

1.海の王者、鯨の竜田揚げ
冒頭の木橋が良い味を出している。給食に鯨がでることに驚くが、時代が分かり良い。

5.酢豚は大人の証
2人以外には到底届かない給食愛が高い位置で共鳴しそうな予感は、対決からの変化に。

7. ヤキソバ・パンデミック
ダークな色彩の背景でブラックな涙を流す二宮金次郎像が不安を駆り立てる。今度は生徒からの共鳴に。

9. アゲパンという名のスイーツ
抑揚ある演出が冴える。凄まじい給食愛に、最早、恋愛要素は届かないことを悟る女子生徒が切ない。それに対する、切り替えが早く前向きな男達の逞しさは何だろうか。最早、給食が神々しくも。

10. 二人だけのカレーライス
給食がパンから米へ変わる大革命。抑えきれないワクワク感からの絶望。他所の中学の教師(年配の方で給食好きが分かることが良い)と、帰りを待つ女教師のさり気ない給食に対する配慮が良い味を出す。最後の給食は2人きりの食事に。