beachboss114

このサイテーな世界の終わり シーズン1のbeachboss114のレビュー・感想・評価

5.0
クソむかつく態度や表情と、小心でピュアでシニカルなモノローグとのギャップが魅力。ビビっていても絶対に表には出さない、信頼していても相手に伝えようとはしない、そんな「素直になれない」二人がいかにもイギリスっぽくて、グダグダな逃避行をズルズルと見てしまう。

文化系サイコ男子とメンヘラ女子の「俺たちに明日はない」。イギリス版「テルマ&ルイーズ」。大人になった「小さな恋のメロディ」かもしれん。タランティーノとは真逆の選曲も好み。

全編を通して静かで冷めててオフビートなテイストがクセになる。ある意味、定番な展開のシーズン1に対して、斜めから攻めてくるシーズン2。斬新な後者を楽しむために前者を見ておく、と言っても過言ではない。

このサイテーな世界から必死で出ていこうとするシーズン1に対して、サイテーな世界に閉じ込められて逃がれられないシーズン2。いや、むしろ、サイテーな世界があまりに広すぎて、物理的には逃げられないことを知ってもがくシーズン2か。そういう意味では、原題の “end” は「終わり」ではなく「果て」と訳すべきなんだけど。

ともあれ、何てことはないシーンで何故かちょいちょい泣けるんだわ。ピンチの時に登場してくれるポンコツとか。
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