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ザ・モーニングショー シーズン2のbibooのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

シーズン2の序盤のエピソードは、色んな問題をこれでもかと掘り下げていて、揚げ足を自分らで取りに行ってるような、自分らの墓穴を広げて見せてくるような、金と規模をかけて反省をあけすけにエンタメ化してるような凄まじさがあったんだけど、エピソードが進むにつれ、風呂敷を広げすぎたのか、だんだんととっ散らかってまとまりつかなくなってる感じが強くなってしまった。ここまで果敢に現状をドラマ化したことは本当すごいという前提ではあるんだけど、クライマックスにつれて登場人物たちの奇行が目立ってしまい、全然理解できずにガクンと感情移入しそこなってしまった。
こんなに果敢にコロナ禍を物語に組み込んでるのに、ブラッドリーはマスクもせず大混乱の病院の中にずかずかと乗り込んでいくくだりとか、あんなにアレックスの自己中に振り回されたのに妙に共依存めいてるチップとアレックスの関係性とか、その上チップが陽性だと偽ってまでアレックスに執着するのとか、不可解でモヤっとするところだった。
個人的に、アレックスに対して未だに不信感が残っていて、相手へのリスペクトをほとんど示さないのも気になるし、しかも復帰した途端、責任感もそこそこに仮病で長いこと姿くらましたり自己中が過ぎるし、そんな彼女を見てきたから最後の言葉もわかりたいんだけどわかりづらい。彼女が不安定であることはわかりきってたはずなのに再雇用してしまうUBAもよくわからんし、アレックスとミッチも交互にテンパって最終的に周り巻き込んでるようにしか見えないし、友情が妙すぎてなんかわかりきれなかった。

シーズン2はその主人公たちのとっ散らかりっぷりがキツく、見進めるのがしんどかった。ミッチも死なせる必要があったのかわからない。ペイジがアレックスに本音を言うシーンは良かったけども。

色々疑問はあるけど、そんな中、「アフリカアメリカンはお飾りのように置かれがち」であることが言われるシーンは芯食っていて良かった。人種や性差別に関して取り上げるのは良いけど、取り扱っときゃ理解をとりあえず示せるだろうみたいなスタンスのエンタメが日本は特に多すぎるし、流行的にすら見えるのとか本末転倒だと思う。そんな表面的な理解風なことに対してどんどん本質まで掘り下げて、「本当にわかってる?」と各問題に対して問いかける内容になってるシーンも多いので勉強になった。

コリーのブラッドリーへの想いはシーズン1からずっと漂っていて時間の問題だったけど、そこで告るか。コロナで世紀末を感じたから今言わないととなったんかな。
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