スローターハウス154

ダーク シーズン2のスローターハウス154のネタバレレビュー・内容・結末

ダーク シーズン2(2017年製作のドラマ)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

2020/8/18〜2020/10/19

S1/8/18
舞台はまた思い切り過去に遡って1921年。ノアはもともとこの年号の人なんだと判明。彼ともう一人が、あの洞窟のワームホール(トンネル)を作ったようだ。
ノアにも逆らえない人物がいる模様。顔中ひどいケロイドの男...名はアダムというそうだが、バルトシュをよく知っている口ぶりから、バルトシュのパパ・アレクサンダーではないか?と推理しておきます。ケロイドは2020年の“終末”ビッグバン時に負ったもので、そこから未来に逃げてきたのかもしれないし。そう考えると、2052年(AKIRAになぞらえてネオ東京ならぬネオヴィンデンと呼ぶ)は時間旅行者の国際都市みたいなもんだね。過去から来たりしてる人がチラホラいるみたいだし(シーズン1終了時にこの退廃的な未来に迷い込んだヨナスが「ようこそ未来へ」と言われてぶん殴られてるし、過去から迷い込む人は割といるのかも、という予想)。
時空の歪みからネオヴィンデンに飛んだヨナスも、時間旅行者の1人と言えるだろう。そしていつの間にかまた手紙持ってるし。
この“終末”から人々を救いたいがために、ヨナスおじさんやクラウディアおばあちゃんは過去を変えたがっていたんだろう。
(それにしても荒廃した世界の創りが精巧ですごいわ...。)

そんなネオヴィンデンでは聾者のエリザベートが生き残りを統率しているという驚きの展開。
2020年では、レジーナの癌が進んでいるのが切ないしショック。
あの時計屋・タンハウスはシャルロッテの祖父だったのか。ノアがエリザベートを通してシャルロッテに返した金時計の役割が気になるところ。
そしてヨナスおじさんと母ハンナが会合。ヨナスおじさん、よく見たら首に紐状の痕があるんですが。。自殺しようとしたことがあるのかな。でもトンネルの破壊に失敗したときに、ヨナスの人生は終わることになっているんじゃないかなと推理。や、だってさ、あの爆破で生きて帰れるわけないじゃん。(どうでもいいけど主人公特攻モノには弱い..) トンネルを閉じてしまったのでヨナスは失踪してから半年後の2020年に戻れないのだ、とのこと。

S2/2020/8/23
ヨナスの首吊りの痕はこの時にできたのか。自殺未遂じゃなかった。33年の時を経ているとはいえ、エリザベートはヨナスの顔に見覚えあるんじゃないかな?
ウルリッヒは結局2020年に帰れず、そのまま33年後の86年まで歳を重ねたのか...自業自得とはいえ、気の毒すぎる。ちなみにこの時代には、ティーンのやさぐれウルリッヒも存在しているので、2人のウルリッヒが居るというタイムパラドックスがここにも発生しております。
さて、ネオヴィンデンの原発跡に隠された謎の液状の球体”ポータル“に入ったヨナスはどこへ...。
ちなみに、エリザベートおばさんの右腕的な女の子(娘?)、どうせヨナスとロマンス育むんだろ?という下世話な予想も書き残しておきます。

S3/2020/8/30
ドリスとアグネスの百合展開ににっこり。そんなアグネスの兄はなんとノアである模様。クラウディアおばあちゃん率いる(?)時間操作者の一味であるようだ。妹といえどノアとは対立関係かな。
86年の世界ではウルリッヒ爺とミッケルが存在しているんだし、行方不明同士の父子の再会を期待したい。
53年の世界では、若エゴンとクラウディアおばあちゃんの、父娘の再会。クラウディアおばあちゃん曰く「不公平だけど善人ほどつらい目に遭う」、ほんとそうだよね...。
その後まもなくクラウディアおばあちゃんはノアに銃殺されてしまう。彼女が持っていた、彼が探し求めていた紙片を見るやいなや、ノアは愕然として「そんな、嘘だ...シャルロッテ...!」と言うのがとても気になる。シャルロッテに一体何が...⁈
原発館長時代のクラウディアは、2020年のガン末期患者となった娘レジーナに会いに行く。
なんだかこのs3は家族再会のエピでした。

s4/2020/8/31
“ポータル”で2052年から1921年にタイムスリップしたヨナス。ここで幼女のアグネスと出会う。...よく考えたら彼女はヨナスにとって、ひいおばあちゃんですね。
2020年の原発事務所に、ウルリッヒの代わりの新任の刑事(名前忘れた)がアレクサ
ンダーへの調査に訪れる。「なぜこの町の住人は移住しない?」という疑問は本当にその通りで。フクシマのがぽぽぽぽーんしたというのに、同じく原発を持つヴィンデンでの人口流出はあまり無いらしい。この点も伏線だろうから覚えておこう。
ハンナは“王様の耳はロバの耳”のごとく、かくまっているヨナスおじさんの秘密をシャルロッテにバラす。ここら辺、シャルロッテのオカルティックな単独調査が功を成したカンジで、個人的にちょっとアツい展開でした。
そこから一行はペーターも交えて例の貯蔵室へ。ついでに乱心気味のカタリーナも連れてきて、ついに事の顛末を説明することに。ヨナスという時の放浪者という実証を目の前にしても(しかも彼女の孫という事実)、カタリーナにとっては特に、なかなか鵜呑みにはできない事態よね。。
その頃、マルタらおなじみティーンズは、一連の謎は洞窟にありと踏んで、洞窟の中を進むことに。するとその暗闇の奥から、なんとタンハウスお手製の“タイムスリップ機器”を抱えたバルトシュが現れる。(この展開、なんとなく“タイムループの予定表”にない出来事なんじゃないか?という気がしました。ほんとになんとなく。)重要な秘密を抱えていたことでみんなの逆鱗に触れたバルトシュは、その場で縛り上げられそのまま暗闇に放置プレイという、容赦ない仕打ちを受ける。
そしてこのs4の山場。ヨナスとケロイドまみれの男アダムとのご対面。彼の正体はアレクサンダーだろうと予測していたけど、その正体はなんと....
なんと....
なんと....⁈

....⁈

...ヨナス自身!
ということは、この永劫回帰の全ての始まり(あるいは終わり)は、ヨナス自身なのか⁈ あれだけ犯人探しに明け暮れたのに、犯人は実は近く...最も近く...自分自身だったのか...?僕がヨナスだったら、早いとこ自殺してるかも、さすがに...。まあでも、そう簡単にスーサイドできない理由が今後も出てくるんだろうね。
いやあ、とても内容の濃いエピでした(いつものことだけど)。

もちろんこのドラマはフィクションに過ぎないというのはわかっちゃいるけどさ、
でもコレだけ世の中の真実、「それを言っちゃあおしめえよ」なこと描いてる映像って、そうそうないんじゃない?って僕は思います。
ほんとうに、この世に存在するモノゴト全ては、善と悪もクソもミソもないよなって、改めて思うわけです。日々、自己決定を下しているようでいて、実際は何にも選択しちゃいないんじゃないか?物質的にははるかに豊かな世の中になったのに、それに反比例するように「うつろな人間」が増えてきていたり、「No Future」な雰囲気が世間に漂っていたりする理由は、みんな自分の人生や世の中に対する不可抗力感、選択肢の無さを、無意識的に感じているからじゃないんでしょうか。それでも、人間が自我を持たなくてはいけない意味って、いったいなんなんでしょうね?

s5/2020/9/17
冒頭、またヨナスとマルタがエッチしてる。この演出何回目?
それよりも、ミッケルとウルリッヒがやっと再会を果たす。よかったよかった。この瞬間を33年も精神病棟の中で待っていたウルリッヒの人生を思うと本当に気の毒だ。
そして今回の大きな新事実。シャルロッテのパパはノアだった。ママは誰なんだろう?予想します、エリザベートでしょ!..ってそれシャルロッテの実の子供じゃん、そんなんアリ?でもこの世界ではあり得そう。そうだったらめちゃくちゃホラーだな。。
ヨナスはケロイドだらけの未来の自分(アダム)と対談。
ちょっと僕の理解不足なんでしょうけど、アダムは過去の世界を然るべき道に戻すため(ループから脱するため)に新しい世界を創ろうとしてるワケ?なんか矛盾してるような筋通ってるような...。ノアは、新世界を創ろうとするアダムに憧れて(?)従っていたが、今や娘のシャルロッテを救うためアダムの計画を阻止しようとしているのか?
ということはアダムとノアは今や対立関係にあるのかな。2人とも、各々歴史を違うように書き換えたがっているのだろうか...?ループを脱するために新世界の創立が実現してしまうと、とりあえずヨナスとシャルロッテが人柱になってしまう、ということだろうか。

s6/2020/9/19
「始まり」とされるミハエルが自殺する前の前日にタイムスリップしたヨナス。この時はまだ平和な日常だった。よってこのドラマで初めて「ほっこり」させられる回だろう、前半までは。
1人家で留守番しているミハエルに会いにくる、タイムスリップ後のヨナス。目的は、父に自殺をしないでくれ、と懇願すること。そうすれば全ての悲劇は起こらないから、と。しかしそこで父から奇妙な話を聞く。ミッケルが洞窟付近で消えたのは、ヨナス自身が彼を洞窟の扉まで導いたからだ、と。そんなことはありえないと否定するヨナス。そしてそこに現れるクラウディアおばあちゃん。ヨナスとクラウディアの話を聞き、運命を悟ったミハエルは、これまでの成り行き通りに物事を進める、つまり手紙を書き首を吊ることを決める。
また同じ周期が始まってしまうのだろうか...。
そしてアダムの仲間に、それ相応に歳を取ったマグヌスがいることが判明。どうやら彼は、“この世の終わり”に巻き込まれなかったようだ。

s7/2020/10/11
ヨナスおじさんとマルタの会合。そして精神病棟に収容されているウルリッヒとハンナも会合。ハンナ、一体なにを基準に動いているのかわからない...なにをしにウルリッヒに会いにきたのか?そしてなんとなくエゴンといい感じになりそうな雰囲気...。
そんなハンナもサイコパスみあって怖いけど、ハンナの家に凸しにきたカタリーナも十分怖いよ。居留守に対して鉈でドア破壊してくるとか、どこの『シャイニング』だよ。ほんと、小学校の校長先生って役柄間違ってるよね...笑。
原発の館長時代のクラウディアは、結局未来の新聞紙に載った通りに父親であるエゴンを亡くしてしまう。父を救おうと思えば救えたはずなのにそうしなかったのは、娘のレジーナの命運が関わっていると悟ったからか。世界の予定表に逆らうことはできない、と愕然としてしまったのだろうか。

s8/2020/10/19
小学校の校長先生であるカタリーナは、ヨナス宅からヨナスの持ち物をふんだくって、また洞窟の中へ邁進する。しかし今度は空回りではなく、洞窟内のトンネルを発見し、タイミングよく「終末」の瞬間にその扉を開く役割を担っている。
安全に「終末」を乗り切れる場所として、地下室に逃げ込むエリザベートとその父ペータ、過去から来たクラウディアと彼女に導かれてきた末期癌のレジーナ、そして何故か、過去から来た若かりしノアも参入。
その頃現代ヨナスは久しぶりに現代の我が家に帰宅する。誰も居ないかに思われた我が家に、タイミングよくマルタが居合わせる。彼女はヨナスおじさんに、安全な地下室で終末を乗り切ってくれと命じられたが、その願いを振り切って今日帰ってくるであろうヨナスに会いに来たのだ。こうして喜びの再会を果たした“完璧なカップル”だが、突然現れたアダムにより雰囲気はぶち壊し。アダムはヨナスに「お前は運命を変えられない」と念押しした挙げ句にマルタを銃殺して、なぜかカレンダーに落書きして帰っていく。ついでにアダムは未来でも、ついにノアを殺してしまっている。
未来の自分にマルタを突然殺されたことにショックを受けるヨナスのもとに、これまた突然誰かが現れた。その女の顔をよく見ると、なんとマルタと瓜二つ。「私は彼女(マルタ)じゃないわ」とその女は言いながら、超小型のタイムトラベル道具を起動させる。「急いで!」という彼女の呼びかけと共に、ヨナスは彼女と、また新たなどこかの世界に飛ぶこととなった。
「終末」のまさにその時、原発に調査に入ったクラウゼンを始めとする警察達が、埋め立てした廃棄物を掘り返していた。例の黄色い缶が出てきた時、駆けつけたシャルロッテがそれを開けることを阻止しようとする。それを開けることで過去と未来に関わってしまう、それが“終わりと始まり”を招くだろうから。しかし頑ななクラウゼンは黄色い缶を開ける。ヨナスが発動させたタイムトラベル器具と、カタリーナが開いた時空の扉、未来でエリザベートが調整した黒い球体、それとは別にアダムが入るために調整した黒い球体が呼応したのか、黄色い缶に入っていた廃棄物からも黒い球体が現れた。それが時空のひずみの穴になって...シャルロッテと未来のエリザベートを繋いだ。

そういえば、シャルロッテはエリザベートの母であり娘であるって予想当たった!それ絶対本人たち知らない方がいい事実だよな。。
これからの話の流れは、ヨナスがアダムになるまでの軌跡を辿る感じになるんじゃないかな。今まで“悪”とされていた物事の成り行きを辿っていくと、結局は納得せざるを得ない結果としての“悪”であることを知る...というような。つまり、アダムの行動を肯定させられる話になっていくのでは...と予想しています。
善悪の区別ってなかなかつかないモノだものね。。