ロロノアゾロ

テセウスの船のロロノアゾロのレビュー・感想・評価

テセウスの船(2020年製作のドラマ)
3.0
★★★

『テセウスの船』は東元俊哉による同名漫画のドラマ化で2020年1月19日〜3月22日にTBS系で放送された。

音臼村の小学校で21人の無差別毒殺事件をテーマとし、容疑者となった警察官、佐野文吾の息子が父の冤罪を晴らすためタイムスリップし奮闘するストーリーとなっている。前半パートは次々に起こる殺人事件編、後半パートは犯人、そして真犯人に迫る解決編という構成である。不気味な描写やスリリングな雰囲気は醸し出してはいるが、ところどころお笑い芸人が出るせいでコントになってしまっているのが非常に残念。ラストシーンについては演技の面でもそうだが、迫真のシーンを台無しにしてしまっている。伏線を張り巡らし最終的に回収していかないのも視聴者にとって非常に不親切である。事件の現場を後からでも見せないと納得できない。むしろ、ぐだぐだ過ぎるので伏線回収から逃げている風に捉えてしまう。

下記に未回収と思われる伏線を記載する。
・ユースケを突き落としたのは誰なのか。犯人の声で佐々木はわかるほど親しいか。
・世界線の定義が曖昧すぎる。現代の記憶は文吾以外なくなっているのか。心さんのことを忘れているのか。
・なぜみきおの未来がカフェ経営できるほど明るくなってるのか。

テレビドラマは伏線を回収しようがしまいが、最終話まで引っ張れば視聴率が伸びるので仕方ないのだろうか。それもまたタチが悪いと思う。ただ、鈴木亮平の演技については素晴らしいの一言であり、サスペンスとしての評価はできないものの、家族関係や父子関係をテーマに見ると温かいストーリーでそれほど悪くないのかなあと思ったりもする。