sumicco

麗<レイ>~花萌ゆる8人の皇子たち~のsumiccoのレビュー・感想・評価

4.3
このタイプの余韻のドラマは
日米韓あわせて初めてかも。

ものすっっっごく長い映画みたいで。

現代の韓国から
高麗時代にタイムスリップしたヒロインが
8人の皇子たちと友情を築いたり
惹かれあったりする過程を
たっぷり時間をかけて見せてくれてから
兄弟間の権力争いの時代に突入するので
感情移入しやすいタイプ、
つまりあたしのような人は
途中からかなり苦しくなると思います。

しかも
ヒロインの設定はぶっ飛んでいるのに
ストーリー自体は
実際の歴史に沿っているために
架空の国の
架空のキャラクターのお話と比べて
視聴者の期待に応える忖度が少なくて。


物語の鍵のひとつは
高麗の初代皇帝時代に飛ぶヒロインが
歴史の授業で学んだ
4代目の皇帝を覚えていること。

2代目や3代目が誰なのかはわからなくても
4代目がどうなるのかだけは知っていて。

変えたいと思う流れがあるのに
変えるためになにをしたらいいのか
そして
あがく自分の言動が
流れをどう変えているのかすらわからないこと。

書いているだけで切ないんだけれども(泣)


後半の多くの「なんで?」箇所、
よくよく考えると
逆にすごくリアルなのかもなあ…
生い立ち、経験、立場、
そのブレンドを想像してみると
すごく人間らしい反応な気がして。

愛の物語の形、
いろいろありますが
この形は、ほんと、なんとも言えず…
見合う形容詞が今でも見つかりません。

ただライトに
はしゃげるドラマだと思っていましたが
観終わったあとに残ったのは
願い一色。

もう一度最初から観たら
まるで違って見えるに違いないです。
sumicco

sumicco