回想シーンでご飯3杯いける

有村架純の撮休の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

有村架純の撮休(2020年製作のドラマ)
4.5
めちゃくちゃ面白かった。有村架純の休日を追う体で撮られた、これも一種のモキュメンタリー。今泉力哉、是枝裕和等、各話を手掛ける監督陣も豪華で、1話完結の全8話構成。

是枝監督による2本は、有村が関西弁を話すのが特徴。実際に彼女は兵庫県出身だし「三宮のカラオケボックス~」という会話の展開がとても自然だ。

今泉監督の2本が会話劇として突出して面白く、有村本人が出演しているドラマを観ながら、梅干し、白ご飯、みそ汁のコンボを口にぶっこみ続けるシーンが面白い「女ともだち」、「愛がなんだ」を思わせるちょっと面倒な女を演じる「好きだから不安」、どちらも30分弱でよくもこれだけ話を転がせるものだと感服するばかり。

他にも、ベテラン女優の先輩「ヨウさん」(羊さんかな?)からもらったジャムの瓶から始まるコメディ「ふた」、おっとこ前な有村が見られる「バッティングセンターで待ちわびるのは」等、全話見所たっぷり。共演者もユニークな人選で楽しい。

携帯電話のCMでお馴染みのカワイ子ちゃんだけど、正直、女優としての個性は良くも悪くもまだ色がついていない彼女だからこそ成立した「本当の有村架純ってどんな女の子なんだろう?」という好奇心を刺激する好企画。でも多分、どれも本当の彼女ではなく、「自分役を演じる」という究極の演技を披露する、役者魂溢れる作品なのだと思う。