なみつ

美食探偵 明智五郎のなみつのレビュー・感想・評価

美食探偵 明智五郎(2020年製作のドラマ)
3.5
最初の数話は、いかにも実写化!という感じの衣装やキャラクター、社会不適合者の探偵とそれに振り回される人のいい助手ポジションの子、独特の寒さ、などなどがけっこう無理でした。

でも、小池栄子さんと宇多田ヒカルさんのエンディングのおかげで見られなくはないのでとりあえず数話見ました。すると、最初うるさいだけだと思って見てた苺ちゃんが、いろんな事件が起きることで、だんだん悲しんだり、涙を流したりして、それがすごく愛しく見えてくるのです。これは小芝風花さんのおかげだと思っていて、わたしは彼女の演技が誠実に感じてとても好きになりました。キャラクターの発言までも応援したくなるような、ひたむきさがある。
それと小池栄子さんの怖さがとてもマッチしていて、かなうはずないのに、なんとかなるんじゃないかと、ハラハラしながら見られました。


仲里依紗さんは、普段があっけらかんとしてるイメージなのでこういう抑えた演技の凄味がすごい。
武田真治さんのシェフはかっこよかったです。
あとはココちゃんがなにげにすごく好きでした。金髪ショートが似合う女の子がまず好きだし、
なんの感慨もなく、日常の行為として食べたものを嘔吐しているようすと、便器とそこから生えてるみたいな天使の羽根の衣装のコントラスト、のあのシーンは、すごい心に刻みこまれてます。


自分にとってはこのドラマ以降、北村有起哉さんの露出度がすごい。刑事かヤクザかだね。この作品のよくわからない土佐弁?はちょっと受け付けなかった、、

宇多田さんのエンディングによりあらためて、音楽の力ってすごいなーとしみじみ。最後にあのイントロが流れるだけで、犯人の哀愁、とか、マリアの心の闇、とか、見ているほうで勝手に儚さや切なさを感じて、1話1話がすっごいしまる。
宇多田さんて、ドラマや映画のタイアップをたくさんされてますが、ひとつひとつの作品に深く触れているんだろうか。キングダムハーツはプレイしたことはないという記事を見たような気がする。実際の歌詞も、直接的に関連しているようにも思えるし、そうでないようにも思える。作品を深く理解してぴったりになっている楽曲も好きだし、宇多田さんくらいの距離感もすごくいいと思う。作者が作詞していない限り他人のいち解釈でしかないから



タイトルに反し、食事中に見るもんではないね! 
なみつ

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