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MIU404のpokotanのレビュー・感想・評価

MIU404(2020年製作のドラマ)
4.7
とにかく脚本が秀逸。
話が面白いし、ちゃんとキャラクターが魅力的。
1話1話、切なく、話の捻りもあり、物語の面白さの中に、さらっと社会への警鐘を鳴らしているところも上手すぎ。

今作はピタゴラスイッチがテーマ。
どの選択をするか、誰と出会うかによって、人生の道は変わっていく。
劇中のセリフでも、
「正しい道に戻れる人もいれば、取り返しがつかなくなる人もいる。誰と出会うか、出会わないか。この人の行く先を変えるスイッチは何か。その時が来るまで誰にも分からない」
「1個1個1個全部がスイッチで、人生じゃん。
1個1個、大事にしてぇの。諦めたくねぇの。
志摩と全力で走るのに必要なんすよ。」

そのテーマを具体的に表したのが、最終回。
バッドエンド、ハッピーエンド。
どちらも起こりうる、起こりえた結末。
最終回でも、
「毎日が選択の連続。また、間違えるかもな。
間違えても、ここからだ。」
どの選択をしても、間違えたとしても、死ななければ、ここから始められる。

「アンナチュラル」とのリンクも最高。
ゲストの松下洸平(2話)、鈴鹿央士、前田旺志郎、山田杏奈(3話)、ミムラ(4話)、渡辺大知、フォンチー(5話)、村上虹郎(6話)、りょう、塚本晋也(7話)小日向文世(8話)、そして菅田将暉。
と豪華。
そして、上手いんだよな。
特に小日向さんは痺れたし、菅田将暉の関西弁の嘘臭さと知能さと舐め腐った腹立たしさはクズミにピッタリで良かった。

印象的なセリフも数々。
「良かったな。誰かを殺す前に捕まって」
「相手がどんなにクズでも、どんなにムカついても、殺したほうが負けだ」
「俺たちの仕事は、出来なかったことを数えるんじゃなくて、出来た事を数える」
「悪い大人もいるけど、ちゃんとした大人もいる。諦めないで、まずは福祉や公共に頼る。君たちはひとりじゃない。」
「面目のために対面のために出来る事をやらないのなら、私たちがいる意味ってなんですか。小さな正義をひとつひとつ拾ったその先に少しでも明るい未来があるんじゃないですか。」

質の高いドラマでとても面白かった。
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