<5/13追記>
改めて考えて気がついたけど、エリーのあの異様なまでのポジティブさと順応力はエリーだけしかない「傷の治癒力」を表していると思う。
対してジョエルはカビから襲われていないもののだんだんと力がなくなっていき、一時は人の力で死に向かうことになる。
人が負う傷は身体だけではない。
生きる上で負った傷を胸にどう生き抜いていくか。
カビはある種の精神的な傷の虚像であるのではないか。
そう感じました。
<以下5/1記録>--------------
1話中のストーリー構成の順序が展開のリズムに即していない。
例えばある展開を一気に恐怖に陥れるならなぜ恐怖なのかだったり、主人公たちがその展開になる理由として過去になにがあったかを先に出さないと視聴者は共感できない。
ちゃんと過去になにがあったかは説明しているのだが、
説明が長い。そしてその過去の説明が急にやってきて今に話を無理くりつなげてくる。
うまい作品なんかは雰囲気でこの話につながるんだなと視聴者に考えさせて同時に次の展開で答え合わせがあって楽しめるのにこの作品は説明ばかりでその楽しみがなかった。
その楽しみのなさで普通は1話切りなわけだけど、
その楽しみを塗り返すほどの主人公の女の子エリーを演じるベラ・ラムジーの演技のうまさ!
(キャラクターの心情と表情がそのまま描けているのがすごい。本当にすごい。)
その彼女の演技とうまくマッチしているジョエル役のペドロ・パスカルも素晴らしい!
この二人の演技が最高なので見飽きなかった。
当たり前だけど吹替版の声優さん(エリー/潘めぐみ)(ジョエル/山寺宏一)(他声優さんたち)の演技も最高。
あとはエリーが「女の子」としてのかわいさなんかを描こうとするのではなく、「本当に生きようとしている人間」キャラを終始徹底しているのが見ていて最高だった。
経血カップとかタンポンとかが出てきたのも他ゲームのバイオで描かれるエロとしての女ではなく、人間、生きる者としての女を描いていて他のドラマから頭1個分女性の描き方のうまさが抜きんでていたと思った。
ストーリー構成だけは本当に飽き飽きする作品ですが、
このラストオブアスという作品にかけるスタッフの思いの強さを感じる作品でした。