NickHalden

リプリーのNickHaldenのネタバレレビュー・内容・結末

リプリー(2024年製作のドラマ)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

"Tom Ripley"、この名前から1話の途中までアラン・ドロンの「太陽がいっぱい」だと気づけなかった自分が悔しい...(マット・デイモン×ジュード・ロウでもやってたか)

全編白黒にもかかわらず、イタリア各地の風景や建造物、アート、インテリアを素晴らしいカメラワークで美しく、時に悍ましく描いており、久しぶりに白黒の映像へ、勝手に色が脳内で足されていく感覚を味わえた。

ただ全体的に間延び感があり、特に中盤から終盤へのダレた喜劇は、倍速で見ようかと思うくらいまともに見てはいられなかった。
もう少し終盤のハラハラに持っていく流れは、スマートで良かったのではと思う。
とは言え、あの間延びもある意味、追う者と追われる者の生々しい駆け引きを描くには必要なのかもと思ったりもする。
あとは若さ故の貪欲さ、フレッシュさが皆無で、そこはもっと配役から原作の背景を落とし込んだ方が良いかも。(今回の役者レベルの表現が出来る若手がいるかはまた別の話だが)

「太陽がいっぱい」とは違う形のラストは良い意味で裏切られた気がして、そう来たかとなった。
まあ、あの警部補、有能そうなムーブかましつつ、あの態度でここまで間抜けだと最早同情もしないが。
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