冬になるとしっとりしたラブストーリーが見たくなる。最近韓国ドラマばかり見てたけど、切なさの中にかすかな希望を感じるような作品は日本ドラマならではだと思うし、やはり母国語だからこそ伝わる言葉のニュアンスって大きいなと思う。
いつ恋では、不遇な環境にいながらも一生懸命に真面目に生きる音や練だけでなく、暴力的な佐引さんや、音を金で売るような林田さん、息子に汚れ仕事をさせる伊吹の父など、悪役の印象が強く残る。
彼らの言葉の端々から、なぜ彼らがそうなってしまったのか、彼らの過去に何があったのか、思いを馳せてみると、孤独や寂しさ、貧しさ、惨めさ、いろんなものが彼らの心を蝕んでいってしまったのかなと思った。練も、悲しい出来事が重なって、過ちを犯しかけるけど、音やおじいさんとの思い出に救われて、本来の優しい練に戻ることができた。
犯罪や暴力などは決して許されることではないと思うけど、悪役の彼らにはそういう救いの手やきっかけが無かったんじゃないかな...
最後に見えた佐引さんの不器用な優しさみたいなものが誰しも隠れていると信じたい。
「世の中に希望が無いからって
ひとりひとりに希望がないわけじゃない」
「頑張って生きたのって
目に見えないかもしれないけど
“心に残る”んだと思います」
最後のファミレスのシーンで、練から語られたこの言葉こそが、この作品のメッセージなのかなと。
綺麗事だけではすまないこの世の中で、頑張って生きているひとりひとりの人生の愛おしさが描かれた最高のラブストーリーでした。感情が記憶に残って、見返したくなるようなドラマって素晴らしいなぁ。頑張って生きよう。