kamiori

いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまうのkamioriのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

#1
苦しい
こんなに胸が詰まるドラマだと思ってなかった
悪がいるドラマってひさしぶりに見たかもしれない
人の悪に触れるとほんとうに消耗する

みんな若い
高良健吾さんも有村架純さんも幼いくらいでとてもかわいい
でもその幼さが悪におびやかされるのがとても辛い

贈与や交換が印象に残る
40円のお釣り、あめちゃん、ハンバーグ、高級な腕時計、足りない家賃、桃の缶詰

#2
生きていくためには誰かが必要なんだって思った
でもそれは誰かといるのが楽しいからってわけじゃなくて、一人で生きるのは辛いからなんじゃないかと思う
もやもやしててうまく言葉にできないけど、人生はしんどいということから目を背けられない感じがする

練が優しすぎて、優しさに苦しくなる
腕立て伏せは辞めなかったのに、木穂子には助かったとお礼を言う
音を運んで寝かしてからも朝まで眠らずに果物を切って、
おまけに襖の開け閉めで起こさないようにわざと少しだけ開けっ放しにしている
もっと自分勝手に生きていいんだよ、、、

木穂子はかわいくて優しくて寂しいな
セリフもつややかで名前の響きもきれいで、高畑充希さんの役でいちばん好きです

#3
ずっと心臓を締め付けられてる
どうしてあれもこれもうまくいかないんだろうね。
歳をとるにつれて、うまくいかないこともそんなもんだと思えるようになってくるはずだけど、
この物語のうまくいかないことは剥き出しのまんまで、その切なさを正面から受け止めないといけない
そのことが辛いような切ないような甘酸っぱいようなで、声にならない悲鳴をあげています

練くんの「応援してます」はすごいセリフだ
人としての格が違う
木穂ちゃんは幸せになってほい
小夏と晴田もどこか寂しくて放っておけない
二人ともつい練くんの家に向かってしまう
華やかな世界とつながっていてもそこは居場所にはならないんだろうな

坂元さんのドラマに出てくると、すべての俳優さんも好きになってしまうから不思議だ

#4
切なさの先に無力感を覚えるようになった
みんな好きだし幸せになってほしいけど、とても遠くにいるように感じる
この距離はなんだろう
同じ東京にいるはずなのにな・・・・・・

練くんはどうしてそんなに強くて正直にいられるんだろう
晴田はかっこよくて切ない
佐引さんはどうしたらいいんだろう・・・・・・

卑怯なことをしないでちゃんと生きようと思いました
バスのおじさんたちにだけはなってはいけない

#5
うおおお、、、最後急展開すぎる
練くん完全に成り上がってる、、、
じいちゃんと畑に出ると行ってからの五年に何があったのか
考えるだけで切なくなってしまう

「いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう」から始まる音のセリフの尊さ
それについて語るすべての言葉が安っぽくなってしまう気がする
こういうもののためにドラマを見るし、こういうもののために生きていると思った

佐引さんはすっかりいい人になっている
高橋一生さんの演技はクズでも憎めない
逆に言えばそういう人物だからこそ高橋一生さんが演じるのだと思う

#6
練くん成り上がってるのかと思ったら・・・ミスリードだった
むしろ音のほうが間接的にではあるけど豊かになっていて
そこにとても大きな壁が生まれている
しかし小夏になにがあったんだろう
震災が関係してるんだろうか
練と晴田が一緒にいるのも小夏のためなんだろうな

練くんの新しい仕事も派遣業だし、朝陽のこれからの立場もそうだけど、
派遣は設定の一つなんかじゃなくて、テーマの一つなんだな

有村架純さんの演技、見れば見るほど驚きがある
翻訳能力がすごいと思う
脚本の内容を、弱くて気にしいで優しい、一人の普通の人間の反応でこちらに届けてくれる
ぜんぶ計算なら人生何周してるんだってくらいのレパートリーだし、反射でやってるならそれは天才

普通とか優しさとかって難しい
そういうものを自然体で持てる人がいるのなら、そういう人にいちばん嫉妬する

#7
ドアをノックし続けるということ
きみはいい子で高良健吾さんがやっていたことだった
この作品では音が練のドアをノックし続ける
そのしぶとさがいちばん深い気持ちなのかもしれないな。
レシートの読み上げと、そこからの想像。泣いてます

#8
よいと思えることを共感できる人と一緒にいたいって、それだけかもしれない
人は何回多数決をしても同じほうに手を上げてくれる誰かを探している
火葬の日の空の色の話は、練の好きですってセリフとほぼ等価だな

音といい、晴田といい、佐引さんといい
どいつもこいつもツンデレばっかりだ
みんな生きるのがへたくそすぎて胸がくるしい

#9
前半の多幸感はいったいどこへ行ってしまったのだろう。つらい
わかりやすいハッピーエンドじゃだめですか?

メールを送ってから寝るべきか悩みシーン好き
みんなこうやって些細なことで悩んでるんだな

小夏が晴田を問いただすシーンはハッとした
晴田は欲しい言葉をなんでも言ってるイメージだけど、たしかに真っ直ぐな言葉で伝える場面はなかったな
でもそのめんどくささも小夏が受け入れ始めたのが嬉しいな
晴田はシンプルに幸せになってそわそわしてほしい

木穂ちゃんはとてもかわいいし、最高の友達だな

ここにきて葉山くん、芳根ちゃんも出てくると思わなかった
フレッシュオールスターだ

#10
さよならを決められた物語だってことはタイトルからして明らかだけど、二人がまた会えるってことがこれ以上ない希望になった
缶詰は空けてしまったけど、また物語の続きが二人にあればいいなと思う

晴田と小夏もよかった、、
晴田は自分を信じてくれる人をずっと待ってんだな
でもそういう人がたまたま現れたんじゃなくて、晴田が小夏に届けたから、小夏がお送り返してくれたんだ
幸せになる権利が晴田にはあるよ

木穂ちゃんがイエスと言えたのもよかったし、佐引さんにも春がやってきたようでなにより
朝陽は自分の立場を引き受けた上で人を傷つけない方法を探し始めて、それを父親に通そうとするしたたかさも身につけ始めた。頑張れ。

他者を思う優しさと、そうあるための強さの物語だった
大切なことを学びました
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