まっつー

次の被害者のまっつーのレビュー・感想・評価

次の被害者(2020年製作のドラマ)
4.8
台湾ドラマ。Netflixオリジナル。(原題: 誰是被害者、英題: The Victims' Game)
台湾映画、ドラマに2020年11月よりハマってずっと見ている。
Netflixから(現在:2020年12月まで)台湾ドラマ史上最高額の制作費を用意された。

アスペルガー症候群の鑑識官ファン・イーレンは、疎遠になっていた娘ジャン・シャオモンが連続殺人事件に関与していることを知る。ファンは事件記者のシュー・ハイインらと共に事件解決にすべてを注ぐ、といったあらすじ。

何よりも興味深いのはただの鑑識官ではなく、”アスペルガー症候群”という設定であり、仕事に対して強いこだわりがある一方でコミュニケーション能力が人よりも課題があるという点が興味深い。
このドラマを通じて主人公であるファン・イーレンが次第に人に対してのイメージ、想像力、共感性を身に着けていき人の心に寄り添うことができるようになってくるという点で視聴者が惹きつけられ、視聴者も彼と一緒に成長を感じられる。

人はそれぞれに悩みを抱え生きることに諦め、死ぬことにも諦めることがある。このドラマでは5人の被害者を通じて彼らが何をしたかったのか、何を後世に残したかったのか、何を表現したいのかが分かるようになっている。
何気ない一言も、何気ない行動も誰かを傷つけてしまうことがあるかもしれない。
そういったときにはこの映画に回帰し、もう一度自分の行動が正しいのかどうかを再考する必要があると思う。

ジャン・シャオモン(江曉孟)を演じたムーンリン(李沐)は、23歳の若手女優でありながらその演技力の高さに2020年第55回の金鐘奨で新人賞を獲得した。彼女は誰の力も借りない、強い女性を演じている一方で、誰よりも愛情を渇望しているという、相反する感情を持っておりその儚さと子供だからこそ強く言えないことがにじみ出る演技も見ものである。

ドラマの最後にクレジットを飛ばさずにいると、ドラマ撮影風景や裏話などのメイキング映像も見ることが出来る。
これも通な人にはおすすめしたい。
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